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【所得税】住宅ローン控除の論点を税理士が解説!〜⑧住宅を共有名義にした場合〜

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【所得税】住宅ローン控除の論点を税理士が解説!〜⑧住宅を共有名義にした場合〜

【所得税】住宅ローン控除の論点を税理士が解説!〜⑧住宅を共有名義にした場合〜

2024/05/15

はじめに

 皆様は住宅ローン控除を利用したことがありますでしょうか。

 マイホームの購入等に当たっては、通常金融機関から借入を行うこととなりますが、住宅ローンは人生においてとても大きな決断であり、相当なプレッシャーがかかるものかと思います。さらに住宅ローンは通常長期間にわたって金利負担が大きくのしかかり、経済的にも圧迫を受けることとなります。こうした負担を軽減するために制定されたのが住宅ローン控除(正式名称は「住宅借入金等特別控除」と言います。)です。

 今回はこの住宅ローン控除について、細かい論点を含め解説いたします。なお、今回は令和5年度の所得税の申告時点に基づく法令にて解説を行いますので、令和6年度の確定申告にあたって改正されたものが公表された場合には、順次解説いたします。

 なお、住宅ローン控除の基礎的な情報をまとめたものや、年末調整時に記入する「住宅借入金等特別控除申告書」の書き方などを、別途当ブログにて解説していますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。

 

【基礎論点】所得税の仕組みを税理士が解説!⑮税額計算及び税額控除(住宅借入金等特別控除)

【2023年】年末調整の全てを徹底解説!⑤〜住宅借入金等特別控除申告書の書き方〜

 

住宅ローン控除の概要

 住宅ローン控除とは、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得または増改築等(以下「取得等」といいます。)をした場合で、一定の要件を満たすときに、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する制度のことをいい、細かく「住宅借入金等特別控除」と「特定増改築等住宅借入金等特別控除」に分かれます※ 

 第8回は住宅を共有名義した場合の住宅ローン控除について解説いたします。

※ 令和4年以後に住宅ローン等を利用し、特定の増改築等を行い居住の用に供した場合には、特定増改築等住宅借入金等特別控除を受けることができません。

 

住宅を共有名義とした場合の住宅ローン控除

 前回の『【所得税】住宅ローン控除の論点を税理士が解説!〜⑦住宅ローンの種類〜』でも解説しましたが、住宅ローンのうち連帯債務型ペアローンの場合、住宅を共有名義とすることによって夫婦の両方が住宅ローン控除を受けることができます。例えば、3,000万円の一般の中古住宅を連帯債務型の住宅ローンにより夫婦で均等負担で取得した場合、通常1/2の1,500万円ずつがそれぞれの住宅ローン控除の控除対象額となります。

 住宅を共有名義にして、夫婦の両方で住宅ローン控除を受けることによって、世帯合算で考えた時の所得税をさらに抑えることが可能になります。上記の例でいえば、【所得税】住宅ローン控除の論点を税理士が解説!〜③中古住宅を取得した場合〜で解説したように、一般の中古住宅の控除対象の限度額は2,000万円であるため、単独名義で取得するよりも、共有名義で取得した方が住宅ローンの金額を1,000万円分多く、住宅ローン控除に利用できることになります。

 一方住宅を共有名義にした場合、万が一離婚などによって住宅の管理を検討しなければいけなくなった際には、話し合いが長期化してしまう恐れがあったり、出産等で一方の収入がなくなったとしても住宅ローンの返済は続き、肩代わりしている返済分は贈与とみなされてしまったり、収入がない場合は所得税も発生しないため、住宅ローン控除の恩恵を最大限受けられなくなってしまう点などデメリットもあります。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか

 住宅を共有名義にすることは、住宅ローン控除の観点からはより節税効果を高めるものですが、それぞれの所得や住宅の持分割合などによっても節税額は変わりますので、先に検討しておくようにしましょう。さらに前述したように、税金以外の面でデメリットも様々あるため、将来のことも見据えながらお近くの専門家と相談して、対策をしていくのが良いでしょう。

 次回は連帯債務割合と住宅の持分割合とローンの支払が異なる場合について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

(※当該記事は投稿時点の法令等に基づいて掲載しております。当ウェブサイト上のコンテンツについて、できる限り正確に保つように努めていますが、掲載内容の正確性・完全性・信頼性・最新性を保証するものではございません。)

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