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健康保険の保険給付について社労士が解説!⑥〜70歳以上の者がいる世帯の高額療養費〜

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健康保険の保険給付について社労士が解説!⑥〜70歳以上の者がいる世帯の高額療養費〜

健康保険の保険給付について社労士が解説!⑥〜70歳以上の者がいる世帯の高額療養費〜

2025/09/29

はじめに

 健康保険は、企業に勤める従業員やその被扶養者が業務上以外の理由で病気や怪我、死亡、出産をした場合に、保険給付を行うことを目的とした社会保障制度のひとつです。健康保険制度は医療保険制度の基本であり、高齢化の進展や、疾病構造の変化、社会経済状況の変化等に応じて定期的に改正がなされているため、情報を常にアップデートする必要があります。当ブログでは、複数回にわたって健康保険に関する基本的な知識や、間違えやすい論点などを解説していきます。

 前々回から健康保険の保険給付についての解説をしています。保険給付は病院で診察等を受ける以外にも、下記の通り多くの種類があります。

保険事故 

被保険者に関する保険給付

被扶養者に関する保険給付

疾病または負傷

療養の給付

家族療養費

入院時食事療養費

入院時生活療養費

保険外併用療養費

療養費

訪問看護療養費

家族訪問看護療養費

高額療養費

高額介護合算療養費

移送費

家族移送費

傷病手当金

出産

出産育児一時金

家族出産育児一時金

出産手当金

死亡

埋葬料(埋葬費)

家族埋葬料

 

 このうち、今回は70歳以上のがいる世帯の高額療養費について解説します。

 

高額療養費

 1ヶ月間(暦月)で医療機関等に支払う医療費が一定額を超えた場合に、その超えた額について払い戻しを受けることができる高額療養費制度というものがあります。

 高額療養費は原則として1つの医療機関等での自己負担が一定額を超えた場合に支給され、1つの医療機関等であっても、歯科と歯科以外、入院診療と通院診療分はそれぞれ別個として算定されます。

 また、下記のような自己負担分については、高額療養費の対象からは除かれます。

・食事療養標準負担額

・生活療養標準負担額

・評価療養、患者申出療養または、選定療養に係る特別料金

・訪問看護療養費及び家族訪問看護療養費に係るその他の利用料

 

70歳以上のみ世帯の高額療養費

 被保険者及び被扶養者が全員70歳以上の世帯である場合、①及び②が下記のそれぞれの適用区分ごとの上限額を超えた場合に、その超えた額の合計が高額療養費として支給されます。

① 個人単位で、外来療養に係る高額療養費を、下記表の〈外来(個人)〉をもとに算定する額

② ①で一部負担金として残った金額と、入院療養に係る一部負担金等の額を世帯合算し、下記表の〈外来&入院(世帯)〉をもとに算定する額

適用区分

1月ごとの上限額

〈外来(個人)〉 〈外来&入院(世帯)〉

標準報酬月額83万円以上

252,600円 + (医療費 - 842,000円)× 1%

標準報酬月額53万円以上83万未満

167,400円 + (医療費 - 558,000円)× 1%

標準報酬月額28万円以上53万未満

80,100円 + (医療費 - 267,000円)× 1%

標準報酬月額28万未満

18,000円

(年間上限144,000円)

57,600円

住民税非課税者

8,000円

24,600円
15,000円

 ※ 年金収入80万円以下など、判定基準所得がない者等が該当します。

 

 また、療養のあった月以前の12月以内にすでに高額療養費が支給されている月数が3月以上ある場合多数回該当となり、4月目からは上限額が下記の通りに軽減されます。ただし、上記①の外来療養に係る高額療養費しか適用を受けていない場合は、回数には算入されません。

適用区分

多数回該当の場合の1月ごとの上限額

標準報酬月額83万円以上 140,100円

標準報酬月額53万円以上83万未満

93,000円

標準報酬月額28万円以上53万未満

44,400円

標準報酬月額28万未満

44,400円

 

 そのほか、被保険者または被扶養者が下記の疾病に係る療養を受けている場合にも、通常よりも低い上限額が設けられています。

疾病の種類

1月ごとの上限額

 人工腎臓を実施している慢性腎不全(人工透析治療等)

 10,000円

 一定の血友病

 抗ウイルス剤を投与している後天性免疫不全症候群

 

70歳以上の者と70歳未満の者がいる世帯の高額療養費

 同一世帯に70歳以上の者と70歳未満の者の両方がある場合、①から③の順番で、高額療養費を算定します。

① 70歳以上の者で、個人単位で外来療養に係る高額療養費を算定する。

② 70歳以上の者で、世帯合算で入院・外来療養に係る高額療養費を算定する。

③ 全世帯合算で、70歳未満の高額療養費を算定する。

 

おわりに

 いかがだったでしょうか。

 今回は70歳の者がいる世帯の高額療養費について解説しました。前回『健康保険の保険給付について社労士が解説!⑤〜70歳未満のみ世帯の高額療養費〜』で解説した、70歳未満のみ世帯の高額療養費とは、算定基準額や世帯合算の方法が異なっています。ご高齢になればなるほど医療費が多額になることが想定されるため、一度ご自身が高額療養費の支給を受けられるか否かについて検討することをお勧めします。

 次回は高額介護合算療養費について解説していきます。

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