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贈与税の基礎知識を税理士が解説!⑩〜みなし贈与(生命保険金)〜

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贈与税の基礎知識を税理士が解説!⑩〜みなし贈与(生命保険金)〜

贈与税の基礎知識を税理士が解説!⑩〜みなし贈与(生命保険金)〜

2025/09/25

はじめに

 贈与とは、当事者の一方(贈与者)が自分の保有している財産をもう一方(受贈者)に無償で与える意思を示し、受贈者がそれを承諾することによって成立する契約のことを指します。贈与を行う典型的なケースとして、相続税対策のための生前贈与などが挙げられますが、こういった贈与に関する知識を怠ってしまうと、思わぬ贈与税が課されてしまう可能性があります。

 当ブログでは、今回から複数回にわたって、贈与税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。

 第10回はみなし贈与のうち、生命保険金についてです。

 

みなし贈与とは

 基本的に贈与はお互いが財産の移転を認識して行われるものですが、贈与を受けた側が贈与の認識がないうちに財産を取得している場合もあります。意図的に贈与税を逃れるために財産を移転させることを防ぐために、贈与の意図がお互いになかったとしても、提供をした側の財産が減少し、受け取った側が金銭の負担なく利益を得た場合は、実質的に贈与とみなして贈与税を課税する「みなし贈与」という規定があります。

みなし贈与にはいくつかの種類があり、それぞれが相続税法にて規定されています。そのため「贈与になるなんて知らなかった」と後から言ったとしても時すでにおそしといったところで、もれなく贈与税がかかってしまうため、皆さんには是非、みなし贈与についての理解を深めていただければと思います。

 

生命保険金のみなし贈与

生命保険に加入する際には、「契約者」「被保険者」「保険料を負担する者」「保険金受取人」がそれぞれ登場します。これらの区分によって課税関係が下記の通り多岐にわたります。

   契約者  被保険者  負担者   受取人  保険事故等

課税関係

A A A A 満期  Aの一時所得
Aの死亡  Aの相続人が相続により取得

A

A A B 満期  AからBへのみなし贈与
Aの死亡  Bが相続により取得
A A C B Aの死亡  CからBへのみなし贈与
A A B A Bの死亡  Aが相続により取得
A B A B Aの死亡  Aの相続人が相続により取得

 

このうちみなし贈与となるのは、②の満期のケース、③のケース、④の満期のケースです。

②の満期のケースは、例えば父親が契約者兼被保険者の定期保険に加入し、父親自身が保険料を支払い、保険料受取人を子供にした場合などが考えられます。

③のケースは、専業主婦である母親が契約者兼被保険者の死亡保険に加入し、父親が保険料を代わりに支払い、保険料受取人を子供にした場合などが考えられます。

 

いずれのケースも、保険料の負担者と、保険金受取人が異なっていることがポイントです。保険料を支払っていないものが保険金を受け取ることによって、贈与が行われたとみなすのです。

しかし、例えば保険金の受取人を幼児に設定しており、実際に保険金が支払われることとなったが、実際には当該保険金は親が使用するケースなども想定されます。このような場合でもみなし課税を適用してしまうと、幼児に保険金が入った時にみなし贈与が適用され、幼児の財産を親が使用する際にまた贈与が適用されてしまうという、煩雑な課税関係が生じます。そのため、このように保険金受取人以外の者が保険金を受け取っていたとしても、やむを得ない事情があったり、相当な理由があると認められる場合には、実際に保険金を受け取った者を保険金の受取人として取り扱うことも、例外として認められています。

また、よく契約の途中で契約者や保険料の支払者を変更することもありますが、これらを変更しただけではみなし贈与とはなりません。その後実際に保険金を受け取ることとなった際に、変更前に保険料を支払っていたと保険金を受け取るものが異なる場合に、みなし贈与や相続税の課税関係が生じます

(例)

前提 当初は契約者:A、被保険者:B、保険料の支払者:A、保険金受取人:Cであり、契約者をAからBに変更した

① 契約者変更時においては、課税関係は生じない。

② 契約者変更後、Aが存命中にBが死亡し、Cが死亡保険金を取得した場合、AからCに贈与があったものとみなされ、Cに贈与税が課税される。

③ 契約者変更後、Bが存命中にAが死亡した場合、Bが旧契約者のAから生命保険契約に関する権利を相続により取得したものとみなされ、Bに相続税が課税される。

④ ③のA死亡後にBが死亡し、Cが死亡保険金を取得した場合、BがAの支払った保険料を負担したものとされ、CはBから死亡保険金を相続により取得したものとみなされて、Cに相続税が課税される。

 

おわりに

 いかがだったでしょうか。

 今回は生命保険金に関するみなし贈与について解説しました。生命保険の受取人をご自身ではなく、配偶者やご子息にされている方は多いかと思います。みなし贈与になると気付かずにそのまま放置してしまうと、数年後税務調査が入りみなし贈与が発覚し、贈与税だけでなく、加算税や延滞税といったペナルティが課せられてしまう可能性があります。生命保険に関する税金対策は、是非お近くの専門家と相談の上検討されることをお勧めします。

 次回はみなし贈与(低額譲渡)について解説します。

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