健康保険の保険給付について社労士が解説!③〜保険外併用療養費・療養費・家族療養費〜
2025/09/08
はじめに
健康保険は、企業に勤める従業員やその被扶養者が業務上以外の理由で病気や怪我、死亡、出産をした場合に、保険給付を行うことを目的とした社会保障制度のひとつです。健康保険制度は医療保険制度の基本であり、高齢化の進展や、疾病構造の変化、社会経済状況の変化等に応じて定期的に改正がなされているため、情報を常にアップデートする必要があります。当ブログでは、複数回にわたって健康保険に関する基本的な知識や、間違えやすい論点などを解説していきます。
前々回から健康保険の保険給付についての解説をしています。保険給付は病院で診察等を受ける以外にも、下記の通り多くの種類があります。
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保険事故 |
被保険者に関する保険給付 |
被扶養者に関する保険給付 |
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疾病または負傷 |
療養の給付 |
家族療養費 |
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入院時食事療養費 |
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入院時生活療養費 |
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保険外併用療養費 |
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療養費 |
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訪問看護療養費 |
家族訪問看護療養費 |
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高額療養費 |
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高額介護合算療養費 |
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移送費 |
家族移送費 |
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傷病手当金 |
ー |
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出産 |
出産育児一時金 |
家族出産育児一時金 |
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出産手当金 |
ー |
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死亡 |
埋葬料(埋葬費) |
家族埋葬料 |
このうち、今回は保険外併用療養費及び療養費、家族療養費について解説します。
保険外併用療養費
保険外併用療養費とは、患者が保険外診療のうち、「評価療養」「患者申出療養」「選定療養」を受けた際に、その療養に要した費用について受けることができる給付をいいます。通常、健康保険では、保険が適用されない保険外診療があると、保険が適用される保険診療も含めて全額自己負担となりますが、保険外診療のうち、「評価療養」「患者申出療養」「選定療養」については、保険診療との併用が可能であり、保険外診療の中で通常の治療と共通する部分の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、その部分について「保険外併用療養費」として療養の給付と同等の金額が健康保険から給付されることとなり、患者は一部の負担で診療を受けることができます。
評価療養
評価療養は、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養で、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、評価を行うものをいいます。例えば次のようなものが当てはまります。
・先進医療(高度医療を含む)
・医薬品の治験に係る診療
・医療機器の治験に係る診療
患者申出療養
患者申出療養とは、高度の医療技術を用いた療養であって、療養を受けようとする者の申出に基づき、療養の給付の対象とすべきものであるか否かについて、評価を行うものをいいます。例えば海外で認可されている治療等を国内でも受けたい場合などが該当します。
患者申出療養を利用する場合は、患者から主治医に対して申出を行い、主治医と相談した上で、臨床研究中核病院と連携しつつ計画書を作成します。そして提出された計画書をもとに国が検討を行い、患者申出療養と決定された場合、当該療養が実施できることとなります。
選定療養
選定療養とは、厚生労働大臣が定める患者の快適性・利便性に関する療養、医療機関や医療行為等の選択に関する療養をいいます。例えば次のような場合が該当します。
・特別の療養環境(差額ベッド)
・歯科の金合金等
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初診、再診
・180日を超える入院
療養費
療養費は、やむを得ない事情で、保険医療機関で保険診療を受けることができず、自費で受診した場合に、その費用の一部について後日支給される費用をいいます。療養費が支給できる「やむを得ない事情」とは、例えば下記の場合をいいます。
・無医村のため保険医療機関がない場合
・資格取得届の手続き中やのため、保険診療が受けられなかったとき
・柔道整復師等から施術を受けたとき
・療養のため、医師の指示により義手・義足・義眼・コルセットを装着したとき
・生血液の輸血を受けたとき
・海外において療養を受けた場合
療養費の支給を受けたい場合は、被保険者が自ら、保険者に対して申請書を提出する必要があります。
家族療養費
家族療養費とは、被保険者の被扶養者が療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費を受けた場合に受けることができる給付をいいます。
被扶養者に対する給付割合は基本的には通常の療養の給付と同様ですが、6歳の年度末までの患者の療養の給付の負担割合は、2割負担となります。また、被保険者が70歳未満で、被扶養者が70歳以上である場合には、被保険者の標準報酬月額に関わらず、被扶養者の療養の給付の負担割合は2割負担となります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は保険外併用療養費及び療養費、家族療養費について解説しました。特に保険外併用療養費に関して、保険外診療は費用も高額になりがちであるため、保険外併用療養費を適用できるかどうかについても事前に検討してみるのも良いかと思います。
次回は訪問看護療養費について解説していきます。
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