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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑯〜相次相続控除〜

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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑯〜相次相続控除〜

相続税の基礎知識を税理士が解説!⑯〜相次相続控除〜

2025/06/26

はじめに

 相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。

 相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。

 当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。

 第16回は相次相続控除についてです。

 

相次相続とは

 相次相続とは、一次相続の発生から10年以内に二次相続が発生することをいいます。相次相続のように、短期間に連続して相続が発生すると、一次相続時に課税された財産に対して、二次相続時にも同じように相続税が課されてしまうため、同じ財産に対して相続税が2回課税されることになり、負担が増大してしまいます。

 似た言葉に「数次相続」というものがありますが、こちらは、一次相続の申告前、つまり遺産分割協議中に相続人が死亡して二次相続が発生した場合をいいます。数次相続については後日解説します。

 

相次相続控除とは

 相次総額控除とは、相次相続が発生した場合に、一定の要件のもと、二次相続時の相続税が控除できる制度です。相次相続控除の要件は次のとおりです。

①被相続人の相続人である

 相続の放棄をした人や、相続権を失った人が遺贈により財産を取得した人は、この制度は適用されません。

②一次相続から10年以内に二次相続が発生

 細かくいうと、一次相続が発生した日から10年以内に二次相続が発生することが要件です。

③二次相続の被相続人が一次相続で財産を取得

 あたりまえですが、一次相続時に相続した財産を二次相続する場合に当該制度を適用できますので、一次相続時に相続財産を取得していないと、当該制度は利用できません。

④二次相続の被相続人が一次相続で相続税を納税

 例えば一次相続時に、基礎控除や各種控除を適用した結果、相続税の納付がなかった場合などは、相次相続控除は適用できません。

 なお、仮に一次相続時に申告をしていなかったとしても、相次相続控除は適用できます。

 

相次相続控除の計算方法

 相次相続控除では、一次相続時の相続において課税された相続税額のうち、1年につき10パーセントの割合で逓減した後の金額を二次相続時の相続に係る相続税額から控除することができます。

具体的には、次の算式により計算します。

A ×【 C / ( B - A ) 】 × D / C × ( 10 - E ) / 10 = 各相続人の相次相続控除

※ 【】内の金額が100/100を超えるときは100/100とします。

A:一次相続時に課せられた相続税額

二次相続の被相続人が、一次相続で取得した財産に課税された相続税額のことです。

なお、この相続税額は、相続時精算課税分の贈与税額控除後の金額をいいます。

B:一次相続時に取得した純資産価額

二次相続の被相続人が、一次相続で取得した相続財産の価格のことです。相続財産の価額は、相続した財産の価額(相続時精算課税を含む)から葬式費用等の債務を差し引いた後の金額となります。

C:二次相続時に取得した純資産総額

二次相続において全員(相続人や受遺者)が取得した、被相続人の相続財産の総額のことです。遺贈した財産や相続時精算課税制度を適用した財産、相続開始前7年以内の贈与財産なども含まれます。

D:二次相続時に取得した純資産価額

二次相続の相続人が取得した相続財産の価格のことです。

E:一次相続から二次相続までの期間

一次相続の開始から二次相続の開始までの年数のことです。1年未満は切り捨てとなります。

 

具体例

・父が亡くなった3年半後に母が亡くなり、子供2人が遺産を相続する場合

【前提条件】

A:一次相続時に母が納めた相続税額:3,000万円

B:一次相続時に母が相続した財産の価額:3億円

C:二次相続時に相続人の全員が取得した財産の価額:4億円

D:二次相続時の子供 1人当たりの財産額:2億円

E:一次相続から二次相続までの期間:3年半

【相次相続控除の計算】

=3.000万円×4億円÷(3億円-3,000万円)※×2億円/4億円×(10−3年)/101,050万円

※4億円÷(3億円-3,000万円)が100/100を超えるため、100/100とします。

 

なお、子供2人が半分ずつ遺産を取得する場合、1人あたりの控除額は1,050万円の半分の525万円となります。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 相次相続控除は、一次相続から10年の間に二次相続が発生した場合に適用できる制度であり、意外と適用できるケースは多いです。相次相続控除の適用漏れがないように事前に適用要件に合致するかどうかなど、専門家に相談することをお勧めします。

 次回は数次相続について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資・労務など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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