相続税の基礎知識を税理士が解説!⑬〜相続税額の2割加算〜
2025/06/05
はじめに
相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。
相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。
当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。
第13回は相続税額の2割加算についてです。
相続税額の2割加算
相続税額の2割加算とは、相続等によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫を含みます。)および配偶者以外の人である場合に、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されるという制度です。
相続税額の2割加算となる対象者と非対象者は下記の通りです。
・2割加算の対象者:
① 孫養子(代襲相続に該当する場合を除く)
② 兄弟姉妹(代襲相続人を含む)
③ 法定相続人以外の受遺者等
・2割加算の非対象者:
① 配偶者
② 1親等の血族
③ 代襲相続人である直系卑属(孫養子を含む)
そのほか、下記にて養子について間違えやすい論点を解説します。養子については、一親等の法定血族であることから、原則としては相続税額の2割加算の対象とはなりませんが、さまざまな留意点があります。
① 実子の子を養子にした場合
被相続人の養子となっている被相続人の孫は、代襲相続人となっているときを除き、相続税額の2割加算の対象になります。
② 養子が2人以上いる場合
以前の解説で、基礎控除等に含めることができる養子の数には限度があることを解説しましたが、例えば実子1人の養子2人の場合、養子は1人までしか基礎控除等に含めることはできません。しかし、養子の民法上の身分についてまで失われるわけではないため、養子は何人いたとしても、1親等の血族であることから、相続税額の2割加算は適用されません。
③ 養子する夫婦に子がいる場合
例えば、血族でない夫婦を養子にした場合で、当該夫婦に子がいる場合は、その子は孫養子ではないため、相続税額の2割加算はありません。しかし、夫婦を養子にした後に生まれた子を養子にした場合には、その子は孫養子となるため相続税額の2割加算の対象となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
相続税額を少しでも減らすべく、孫を養子にして基礎控除を減らし、さらに二次相続を回避するような対策が一時期広まりましたが、今回解説した相続税額の2割加算を知らないと、思わぬ税負担がかかる可能性があります。これらのことを踏まえつつ、専門家と相談の上、相続対策をすることをお勧めします。
次回は胎児がいる場合の相続税の計算について解説します。
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