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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑤〜タンス預金〜

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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑥〜タンス預金〜

相続税の基礎知識を税理士が解説!⑥〜タンス預金〜

2025/04/17

はじめに

 相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。

 相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。

 当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。

 第6回はタンス預金についてです。

 

相続税における現金

 相続財産は、金銭的価値のあるありとあらゆる財産のことをいいます。よって相続時に保有している現金ももちろん相続税の課税対象となります。ひとことに『現金』といっても、その内容は下記の様に多岐にわたります。

 

① 相続開始時に手元に保管していた現金

 お財布や手持ち金庫などが該当し、一番イメージしやすいものといえるでしょう。

② 相続開始直前に引き出した現金

 預金口座は預金者の死亡が確認されると、出金や解約などが行えないように凍結されてしまい、その解除が容易ではなくなってしまうことから、被相続人の容体が重くなったなったときに、相続人が預金口座が凍結される前に慌てて引き出すケースが想定されます。

③ 相続対策として預貯金から引き出しておいた現金

 預金口座に保管していた財産は、相続税の計算において必ず相続財産に加えられます。生前に預金口座から現金を引き出しておいて、相続税対策として利用するケースが考えられます。

④ 相続対策として口座を介さずに保管している現金

 相続税対策として、預金口座を介さずに、最初から現金で給与やその他の収入を受領するケースがあります。

 

 タンス預金は元来、銀行の破綻などから資産を守るために、銀行に預けるのではなく家に一定額を保管するものですが、上記③④のように、相続対策として現金を隠しておく人が一定数います。しかしこのようなタンス預金は、税務調査においてはほとんどの確率で発覚してしまいます。

 

タンス預金を相続対策で利用すべきでない理由

 相続税の税務調査において、上記に示した現金はどのような経緯で確認されることになるかを解説します。

 

① 相続開始時に手元に保管していた現金

 例えば相続税の申告の際に、現金として1円も相続財産に記載していない場合、調査において「相続開始時に手元に現金が全くなかったのですか」という確認がされるのが一般的でしょう。

② 相続開始直前に引き出した現金

 相続直前に葬式費用や入院費用のために口座から引き出した現金は、申告時には実際に支払い済みのため手元に無かったとしても、相続開始時点においてまだ支払われていない場合には相続財産に加える必要があります。税務署は過去の通帳の入出金を把握する事ができますので、「相続開始直前の出金は何に使われたのですか」という確認によって発覚するケースが多いです。特に生前から入院生活が長く続いている場合は、入院費以外に支出されるものがほとんどないと考えられることから、相続開始直前に引き出した現金を生活費に全て使ったといった説明では説得力がなく、相続財産となるケースがほとんどかと考えられます。

③ 相続対策として預貯金から引き出しておいた現金

 前述した通り、税務署は過去の通帳の入出金を把握する事ができますので、すべての入出金について事前に確認した上で調査にきます。一定金額以上の出金についてはどの様な理由で引き出したかを必ず確認するため、合理的な説明ができないとタンス預金があると疑われる可能性が高まります。

④ 相続対策として口座を介さずに保管している現金

 例えば給与の支払いを現金支給にし、入出金の足跡がつかないようにした上で、相続税の申告をしない方も見受けられますが、税務署は被相続人が生前にどの様な企業に所属に、どれくらい収入を得ているかについても把握する事ができます。収入金額とあまりにもかけ離れた金額の相続税申告しかしていない場合、現金を隠しているのではないかという疑いのもとに調査が行われます。被相続人の月々の生活費や生前の趣味、過去の贈与の履歴などのヒアリングから、疑いが張れない場合、タンス預金が発覚するきっかけとなりうるでしょう。

 

 相続税の税務調査にくる職員は年間を通じて相続税の税務調査をしている調査のプロです。上記の様な現金を隠していたときに、調査においてその場しのぎの嘘をついたとしても、ほとんどの場合で発覚し追徴課税となっています。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 タンス預金は緊急の支出を要する場合には有効なものですが、相続対策として利用するのはお勧めできません。タンス預金として隠していた現金が税務調査において発覚した場合、最悪の場合は懲役刑が課される可能性もあります。そのほかにもタンス預金は、盗難のリスクや、火災などの災害時に消失するリスクもあるため、必要最小限にとどめておき、当たり前ですが申告時には正確な申告を心がけるようにしましょう。

 次回は小規模宅地等の特例のうち、特定居住用宅地等について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資・労務など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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