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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑤〜名義預金〜

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相続税の基礎知識を税理士が解説!⑤〜名義預金〜

相続税の基礎知識を税理士が解説!⑤〜名義預金〜

2025/04/10

はじめに

 相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。

 相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。

 当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。

 第5回は名義預金についてです。

 

名義預金とは

 相続税の課税対象となる財産は、原則として被相続人の名義になっている財産です。しかしさまざまな背景により他人名義で財産を取得したり、名義を他人に変更することがあります。このように形式上は他人の名義になっている財産であるが、実質的には被相続人に帰属するような財産のことを名義財産といいます。名義財産は相続税上は、仮に他人名義であっても被相続人の財産として課税されることが特徴です。

 そして、名義財産の中でもとりわけ相続税の論点として問題に上がるものが名義預金です。

 親が子供の将来のために、子供の名義の預金口座を作り、そこに毎月数万円ずつ貯金しているようなケースが代表例ですが、このように仮に預金口座の名義が子供であっても、実質的には親の財産を子供名義の通帳に移しているだけであるため、名義預金となり、相続税上は親の財産として課税されるのです。

 相続税の税務調査においては、相続人名義の口座が名義預金であるかどうかについて、おおむね下記のような要素に基づいて判定されます。

・通帳や印鑑の保管状況

 通帳や印鑑の存在を相続人が把握していない場合や、把握していたとしてもそれらを自由に利用できない状態になっていた場合、実質的な所有者は被相続人であると判定される場合があります。

・通帳の入出金や更新状況

 例えば、相続人の口座からの出金の履歴が全くなく、被相続人からの入金のみである場合、相続人が当該口座の有無を認知していなかったとみなされる可能性があります。また、当該口座から出金されている生命保険料を契約や、通帳の更新などの手続きを、全て被相続人が行っていた事が判明したとなると、名義預金と判定される可能性が高くなると考えられます。

・相続人の所得状況

 仮に毎月現金で口座に入金することで入金元を分からなくして、名義預金を回避する方法をとったケースであっても、相続人の所得状況や他の口座の入出金履歴から、当該口座に蓄積されているだけの所得がない事が判明した場合には、名義預金をして判定される可能性があります。

・通帳の開設目的

 通常口座を新規に開設するとなれば、何らかの理由があるはずと考えられることから、当該理由を明確に説明できない場合、被相続人が解説した名義預金であると判定される可能性があります。

・贈与契約書や贈与税の申告の有無

 仮に親が子供名義の預金通帳にお金を逐一振り込んでいたとしても、それが子供に対する贈与であれば名義預金とはなりません。しかし、贈与であると証明するためには、相続人本人が贈与であったことを認識している、贈与契約書が作成されている、贈与税の申告書が提出され相続人本人が贈与税を納めているなど、さまざまな要素をもって説明する必要があります。これらの十分な説明がなされない場合、贈与とはみなされずに名義預金として判定される可能性があります。

 

名義預金と判定されないために

 ここまで名義預金と判定される可能性があるケースを解説してきましたが、ここからは名義預金と判定されないために事前にしておくことを解説します。

・通帳や印鑑の保管状況

 通帳や印鑑は名義人本人に管理してもらい、自由に入出金できるような状況にしておきましょう。

・通帳の入出金や更新状況

 当該口座を全く利用しないのではなく、多少なり生活費として利用するようにしましょう。また生命保険等の保険料の引き落としを行うような契約は、名義人本人が行うようにしましょう。また、通帳の更新などの手続きも全て相続人が行うようにしましょう。

・贈与契約書や贈与税の申告の有無

 振り込む金額が、贈与税の基礎控除である110万円未満であっても、毎回贈与契約書を作成するようにしましょう。贈与契約書では、誰から誰に、いつ、何を、どうやってあげるのかを明確に記載し、署名・捺印をするようにしましょう。なお、贈与は現金振込みではなく、銀行振込みの方が証拠として残るためより良いと考えられます。

 また、贈与税の申告をする場合は、必ず贈与者が贈与税の支払いを行い、贈与税の申告書も贈与者が保管するようにしましょう。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 名義預金は税務調査において一番と言っていいくらいにメジャーな論点です。調査においては必ず名義預金の有無を確認されるため、上記の様な事前の対策を行い、直前で慌てることのない様に準備する事が大切です。

 次回はタンス預金について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資・労務など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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