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【労務】年収の壁支援パッケージを税理士兼社労士が解説!②〜130万円の壁への対応〜

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【労務】年収の壁支援パッケージを税理士兼社労士が解説!②〜130万円の壁への対応〜

【労務】年収の壁支援パッケージを税理士兼社労士が解説!②〜130万円の壁への対応〜

2024/09/09

はじめに

 2023年10月から、「年収の壁・支援パッケージ」という政策がスタートしているのを皆さんはご存知でしょうか。

「年収の壁・支援パッケージ」とは、パートやアルバイトの方で、年収の壁によって労働時間を抑えている人向けに、年収の壁を意識せずに働くことができるようにする施策のことです。当ブログでは、この「年収の壁・支援パッケージ」の内容について、複数回にわたって詳しく解説します。

 今回は130万円の壁に対する支援策について解説します。

 

(おさらい)130万円の壁とは

 年収130万円を超えると、扶養から外れることとなるため、国民年金・国民健康保険や、勤務先の社会保険に加入する義務が生じることになります。社会保険の加入により手取り収入が減ってしまうため、働く時間を調整している人もいらっしゃるかと思います。

 なお、130万円の壁における年収には、残業代や通勤手当等も含まれます。

 また、60歳以上や障害者の場合は、130万円以上ではなく、180万円以上で扶養から外れることとなります。

 

130万円の壁に対する対応

 前述したように130万円の壁については、残業代もその範囲に含まれるため、仮に繁忙期等の兼ね合いで労働時間が増え、収入が一時的に上がった場合であっても、原則的には社会保険の加入が義務となってしまいます。そこで、今回の「年収の壁・支援パッケージ」においては、事業主が収入の増加が一時的である旨を証明することで、130万円を超えたとしても引き続き被扶養者認定が可能となるという対応が採られています。

 

一時的な収入増加とは

 今回の対応策の対象となるのは、「収入が一時的に増加したと認められる場合」に限られるため、「基本給が上がる」、「新しい手当が創設される」、「所定労働日数・時間が増加する」などで収入が増加した場合は対象外となります。一時的に収入が増加したと認められる主なケースは、下記の通りとされています。

 ・他の従業員が休職・退職したことにより、業務量が増加したケース

 ・業務の受注が好調だったことにより、業務量が増加したケース

 ・突発的な大口案件により、業務量が増加したケース

 

適用限度

 今回の対応策は、事業主の証明があればいつまでも認定されるものではなく、当該認定は連続して「2回」までを上限とすることとされています。この「2回」については、少なくとも年1回は被扶養者の収入確認を行うことが望ましいとされていることから、原則として2年間が、「年収の壁・支援パッケージ」の対象ということになります。

 なお、転職等に伴い保険者が変更となった場合には、前の収入確認による認定は引き継がないことから、新たに1回目の認定が行われることとなります。

 

事業主の証明について

 事業主は被扶養者の認定を受ける際や、資格確認を行う際に、当該従業員の年間収入が確認されることとなります。この際に保険者に対して『被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」にかかる事業主の証明書』を提出することとなります。保険者によって提出時期はさまざまであるため、加入している健康保険組合等に確認しましょう。

 また被扶養者が複数事業所で勤務している場合は、主たる要因である勤務先が事業主の証明を提出します。

 

『被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」にかかる事業主の証明書

 事業主が提出する証明書は下記のようになります。

参考:厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ

 

 こちらを、そのほか提出が求められている書類と併せて提出することとなります。記載に当たって難しい箇所は特にないかと思われますが、前述している通り、収入の増加が一時的である旨を証明するものですので、書類内の「雇用契約等により本来想定される年間収入」が130万円を超えている場合には、扶養からは外れることとなるので注意しましょう。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 今回は、130万円の壁に対する支援策について解説しました。社会保険の加入による手取り収入の減少は労働者にとってとても重たいものです。ご自身が引き続き被扶養者として認定を受けられるかどうか心配な場合は、お近くの専門家もしくは加入している健康保険組合等に相談するようにしましょう。

 次回は、106万円の壁に対する支援策について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務・労務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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