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【インボイス】月の途中で課税事業者となった場合のインボイスの取り扱いを税理士が解説!

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【インボイス】月の途中で課税事業者となった場合のインボイスの取り扱いを税理士が解説!

【インボイス】月の途中で課税事業者となった場合のインボイスの取り扱いを税理士が解説!

2024/06/21

はじめに

 2023年10月1日から開始されているインボイス制度ですが、事業主の皆様の対応状況はいかがでしょうか。中にはまだ登録をしておらず、時期を見てこれから登録をしようと考えている方もいるかと思います。原則としてインボイスの登録を行なった場合、登録日以後の取引について、インボイスの要件を満たした書類を交付する義務が生じますが、取引の内容によっては異なる対応をするケースがあります。今回は月の途中でインボイスの課税事業者として登録した場合の、さまざまな取引に関する取り扱いを解説します。

 

棚卸資産の譲渡を行なった場合

 商品や製品などの棚卸資産の譲渡を行う場合、原則としてその引渡しのあった日が課税資産の譲渡の時期とされています。ここでいう引渡しの日は業種や取引条件等によってさまざま考え方がありますが、契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡等を行ったこととしている日によるものとされています。よってインボイスの交付義務についても、登録日以後棚卸資産の譲渡等を行ったものについて求められることとなります。

 

 (例)検収日を引渡しをした日としている場合で2024年7月15日にインボイスの課税事業者として登録を行なった場合

 ・検収日が2024年7月14日以前のもの→インボイスの交付対象外

 ・検収日が2024年7月15日以降のもの→インボイスの交付対象外

 

役務の提供を行なった場合

 役務の提供を行う場合、原則としてその約した役務の全部の提供を完了した日が課税資産の譲渡の時期になります。よってインボイスの交付義務についても、登録日以後役務の全部の提供を完了したものについて求められることとなりますが、例えば役務の提供にあたっては、継続的な保守点検のように半年や1年などの契約で、1ヶ月毎に請求を行うケースもあるかと思います。このような場合、月の途中でインボイスの課税事業者となったとしても、登録日以前の日も含め、その月の全額につきインボイスを交付することとなり、消費税の計算においても、日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。

 

 (例)2024年4月1日〜2025年3月31日までの保守契約において、ひと月ごとに精算し請求を行う場合で、2024年7月15日にインボイスの課税事業者として登録を行なった場合

 ・2024年6月分(6月1日〜6月30日)以前の請求→インボイスの交付対象外

 ・2024年7月分(7月1日〜7月31日)以降の請求→インボイスの交付対象

 

資産の貸付けを行なった場合

 資産の貸付けを行う場合、原則として当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日が課税資産の譲渡の時期になります。よってインボイスの交付義務についても、登録日以後使用料等の支払を受けるべきものについて求められることとなりますが、例えば、月の途中でインボイスの課税事業者となった場合でも、その月分の使用料を月末に支払を受けることとしているなどであれば、その月分の使用料等の全額につき適格請求書を交付することとなり、消費税の計算においても、日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。

 一方、その月分の使用料を月末に支払を受けることとしているなど、前受けにより支払いを受ける場合には、課税資産の譲渡時期は資産の譲渡等を行った時となるため、登録日前の取引と登録日以後の取引を厳密に区分する必要があります。この場合、インボイスの課税事業者となる前に一旦請求書等を交付しているかと思われますので、登録日が判明した後に、登録日から末日までのインボイスを別途交付するようにしましょう。

 

 (例1)2024年4月1日〜2025年3月31日までの賃貸借契約において、その月分の使用料を当月末に支払を受ける場合で、2024年7月15日にインボイスの課税事業者として登録を行なった場合

 ・2024年6月分(6月1日〜6月30日)以前の請求→インボイスの交付対象外

 ・2024年7月分(7月1日〜7月31日)以降の請求→インボイスの交付対象

 

 (例2)2024年4月1日〜2025年3月31日までの賃貸借契約において、その月分の使用料を前月末に支払を受ける場合で、2024年7月15日にインボイスの課税事業者として登録を行なった場合

 ・2024年5月分(6月1日〜6月30日)以前の請求→インボイスの交付対象外

 ・2024年6月分(7月1日〜7月31日)の請求

  →7月1日〜7月14日はインボイスの交付対象外

   7月15日〜7月31日はインボイスの交付対象(再交付を行う)

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 解説したように、月の途中からインボイスの課税事業者になった場合は、取引の内容によってインボイスの交付対象時期が異なるため、自分の取引がどういったケースに該当するのか、専門家に相談の上正しくインボイスを発行できるようにしましょう。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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