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意外と知らない年次有給休暇の落とし穴について社労士が解説!①〜付与要件・日数〜

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意外と知らない年次有給休暇の落とし穴について社労士が解説!①〜付与要件・日数〜

意外と知らない年次有給休暇の落とし穴について社労士が解説!①〜付与要件・日数〜

2025/03/24

はじめに

 近年、コロナ禍で加速した働き方改革をはじめ、人手不足による労働環境の見直しの観点から、年次有給休暇に関する企業の考え方が変化しつつあります。

 年次有給休暇は、一定の要件を満たす従業員に対して付与されるもので、労働基準法では、労働者の健康を守るために、休日の他毎年一定日数与えることを規定していますが、当ブログでは今回から、年次有給休暇に関して、意外と知られていない論点や間違えやすい事項を複数回にわたって解説します。

 第1回は年次有給休暇の適用要件と日数についてです。

 

年次有給休暇の付与要件・日数

 労働基準法において、時間外労働・休日労働に関しては次のような条文があります。

(年次有給休暇)
第三十九条 

 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
② 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
 

 六箇月経過日から起算した継続勤務年数  労働日
 一年  一労働日
 二年  二労働日
 三年  四労働日
 四年  六労働日
 五年  八労働日
 六年以上  十労働日


③ 次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
一 一週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
二 週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者

 

要件① 6ヶ月間継続勤務

 6ヶ月間(その後は1年間)継続勤務というのは、欠勤がないということではなく、その事業場における在職期間を指します。例えば下記のような場合は継続勤務しているとみなされます。

・休職期間、病欠期間

・定年退職後に再雇用される場合

・パート社員・日雇労働者で実質的に6ヶ月以上引き続き使用されていると認められる場合

 

要件② 全労働日の8割以上の出勤

 要件における『全労働日』とは、「暦日数から所定の休日を差し引いた日数」を指します。よって休日労働をしたとしてもそれは全労働日には含まれません

 そのほか、前労働日に含まれない日は例えば下記を指します。

経営上・管理上の障害に伴う休業日

・ストライキ等によって労働を行わなかった日

 

 一方、要件における「8割以上の出勤」の中には年次有給休暇を取得した日のほか、下記のような場合も出勤したものとして取り扱うものとされています。

業務上の負傷または疾病により休業している期間

・産前産後休暇・育児休業・介護休業期間(看護休暇・介護休暇は含まれません。

・労働者の責任とは言えない理由による休業日

 

年次有給休暇の付与日数

 年次有給休暇の付与日数は基本的には下記の通りです。

 勤続年数  付与日数
 0.5年  10労働日
 1.5年  11労働日
 2.5年  12労働日
 3.5年  14労働日
 4.5年  16労働日
 5.5年  18労働日
 6.5年以上  20労働日

 

例えば、0.5年から1.5年にかけての1年間の全労働日が8割未満であった場合、11労働日の付与はありませんが、その後1.5年から2.5年にかけての1年間の全労働日が8割以上であった場合、その際付与される日数は11労働日ではなく、12労働日となります

 また、パート、アルバイトの形態で勤務されている場合でも、上記の要件に当てはまれば年次有給休暇を取得することが可能なのですが、「1週間の労働時間が30時間未満、かつ、週4日以下の労働」の場合は、年次有給休暇の付与日数が、労働日数に応じて下記のように変化します。

 勤続年数/所定労働日数  4日  3日  2日  1日
0.5年 7日 5日 3日 1日
1.5年 8日 6日 4日 2日
2.5年 9日 6日 4日 2日

3.5年

10日 8日 5日 2日
4.5年 12日 9日 6日 3日
5.5年 13日 10日 6日 3日
6.5年 15日 11日 7日 3日

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 年次有給休暇は正社員だけのものではなく、パートやアルバイトの方でも要件を満たせば付与されます。従業員の方はご自身が付与対象者であるのか確認してみてください。経営者の方は逆に、付与対象者を誤らないように、勤続年数の管理を適切に行うようにしましょう。

 次回は年次有給休暇の時間単位付与について解説します。

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