相続税の基礎知識を税理士が解説!②〜相続税の計算体系〜
2025/03/20
はじめに
相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。
相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。
当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。
第2回は相続税の計算体系についてです。
相続税の計算体系
相続税は、相続人それぞれが相続した財産について税率を求めるというものではありません。相続人等が遺産をどのように分割したかに関係なく、相続人が法定相続分に応じて取得したものと仮定し、相続人ごとの取得金額にそれぞれ相続税の税率を掛けた金額を合計したものが相続税の総額となります。こうして算出された相続税の総額を実際に相続した割合で按分して計算した金額が各人ごとの相続税額となります。これをフローチャートで表すと下図のようになります。
↓
(政府広報オンライン 相続税はいくらから?基礎控除とは?相続税の基本を確認!)
フローチャートにおいて特徴的な箇所のポイントを解説していきます。
① 遺産総額の計算においては、単純な遺産相続だけでなく、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産や、相続開始前7年以内の暦年課税に係る贈与財産も加算することとなります。一方葬式費用や借入金などの債務は遺産相続から控除することとなります。
② 課税遺産総額の計算時に控除する基礎控除額とは、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。ここでいう法定相続人の数は、相続の放棄をした人も含めます。また、法定相続人の中に養子がいる場合は、被相続人に実子がいる場合養子のうち1人を、被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人に含めることができます。
③ 前述したとおり、まずは課税遺産総額を法定相続分に応じて取得したものと仮定し、相続人ごとに配分した上でそれぞれ相続税率をかけていき、相続税の総額とを算出します。法定相続分は前回の『相続税の基礎知識を税理士が解説!①〜相続人・相続分とは?〜』で解説したとおりで、下記の通りであり、それぞれの取得分に対して適用する相続税率は次のとおりです。
・相続分
相続人の組み合わせ | 相続人 | 法定相続分 |
配偶者と子 | 配偶者 | 2分の1 |
子 | 2分の1 | |
配偶者と直系尊属 | 配偶者 | 3分の2 |
直系尊属 | 3分の1 | |
配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者 | 4分の3 |
兄弟姉妹 | 4分の1 |
・相続税率
法定相続分に応じた所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | ー |
1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
④ 相続税の総額を実際の相続割合で按分した後は、相続人それぞれで税額控除がある場合には、それらを控除することとなります。代表的なもので言うと、配偶者の課税価格が1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分相当額までのいずれか小さい額を控除できる「配偶者の税額控除」というものがあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ひとことに相続税の計算といっても、その過程はとても長く、そして複雑です。相続税の申告期限は相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10か月以内ですが、相続財産の確認や分割の手続きなどであっという間に時間は過ぎていきます。特に多くの相続財産がある場合には、相続開始前にあらかじめ財産の整理をしておくなど、前持った対応を心がけるようにしましょう。
今回は相続税の計算の流れを解説しましたが、今後はこの中身をさらに深掘りして解説していく予定です。次回は相続財産の中の死亡退職金について解説します。
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