株式会社磯会計センター

相続税の基礎知識を税理士が解説!①〜相続人とは?〜

お問い合わせはこちら

相続税の基礎知識を税理士が解説!①〜相続人・相続分とは?〜

相続税の基礎知識を税理士が解説!①〜相続人・相続分とは?〜

2025/02/06

はじめに

 相続税は、亡くなった人から相続人等が相続や遺贈などにより財産を取得した場合に課税される税金です。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2022(令和4)年の死亡者数は1,569,050人で、そのうち相続税が課税された割合は9.6%と、約10人のうち約1人が相続税を支払っているということとなります。

 相続税は所得税や消費税などとは異なり、一生のうちに何度も経験することはなく、難しい印象があるかと思います。実際に相続税の計算をするまでには、遺産分割から財産評価、特殊な税法の知識などの理解が必要です。

 当ブログでは、今回から複数回にわたって、相続税に関して間違えやすいポイントを解説していきます。

 第1回は相続人と相続分についてです。

 

相続人とは

 相続人と言われて真っ先に思い浮かぶのは、配偶者や子かと思います。もちろんこの認識も間違いではありません。相続税における相続人は民法に規定する相続人を指しており、例えば配偶者や子がいなかった場合であっても、下記の表のようにそれ以外の相続人も予定されています。その中でも順位が上位にあるものが、財産を相続する権利がある法定相続人となります。

順位 相続人 備考
常に法定相続人 配偶者  内縁関係や事実婚の相手は×
第1順位  代襲相続人(孫、ひ孫等)や、養子を含む
第2順位 直系尊属  
第3順位 兄弟姉妹  代襲相続人(甥、姪)を含む

 例えば、被相続人に子や直系尊属がいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人となります。

 

そのほかのポイントを下記にて解説します。

 

代襲者の場合

 本来相続人となる人が相続発生前に死亡したり、相続権を失ったりした場合、その人の子が代わりに相続します。これを代襲相続といいます。代襲相続による相続人を代襲者といい、子の代襲者には制限がないため、もし子も死亡等で相続権を失っている場合は孫が代襲者となります。一方兄弟姉妹の代襲者の場合は甥、姪で終わり、それ以降は代襲できません。

 

養子の場合

 養子は、血縁でないものであっても、縁組の日から養親の相続人となります。養子には普通養子と特別養子があり、普通養子の場合、養親と実親の両方の相続人となります。しかし、養子は相続税の計算上は全て算入されるわけではなく、被相続人に実子がいる場合は1人実子がいない場合は2人までと制限されています。一方特別養子の場合、実親との親族関係は特別養子縁組によって終了し、養親のみの相続人となり、相続税においては実子とみなされます。

 また、相続税を減らす目的で相続開始直前に養子縁組を行い、実際には相続財産を取得していないような場合は、養子とはみなされないケースがあるため注意が必要です。

 さらに、配偶者の連れ子も被相続人の子ではないため、養子縁組をする必要があります。

 

相続人の相続分

 相続財産をどのように分割するかについては、基本的には遺産分割協議を経て確定しますが、下記のように相続人の身分により一定の割合で配分する法定相続分も定められています。

相続人の組み合わせ 相続人 法定相続分
配偶者と子 配偶者 2分の1
2分の1
配偶者と直系尊属 配偶者 3分の2
直系尊属 3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者 4分の3
兄弟姉妹 4分の1

 なお、代襲相続人は被代襲者の相続分を引き継ぎ、代襲相続人が複数いる場合は、代襲相続人で按分します。

 例えば、相続人が配偶者、兄弟姉妹、兄弟姉妹の代襲相続人2人の場合下記のようになります。

相続人 相続分
配偶者 4分の3
兄弟姉妹 8分の1

代襲相続人2人

16分の1

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 相続人や相続分については、基本は認識されている方も多いかと思いますが、養子縁組や代襲相続が発生する場合は少々複雑になります。うっかりミスのないようにしましょう。

 次回は相続税の計算体系について解説します。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資・労務など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

(※当該記事は投稿時点の法令等に基づいて掲載しております。当ウェブサイト上のコンテンツについて、できる限り正確に保つように努めていますが、掲載内容の正確性・完全性・信頼性・最新性を保証するものではございません。)

----------------------------------------------------------------------
株式会社磯会計センター
〒308-0844
茨城県筑西市下野殿852-3 メゾンルーチェⅡ
電話番号 : 0296-24-3630
FAX番号 : 0296-25-1588


----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。