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中小企業経営強化税制について税理士が解説!

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【節税】中小企業経営強化税制について税理士が解説!①〜概要〜

【節税】中小企業経営強化税制について税理士が解説!①〜概要〜

2024/07/04

はじめに

 前回は、中小企業投資促進税制について解説しました。中小企業投資促進税制とは、青色申告書を提出する中小企業者などが、新品の機械および装置などを取得・製作した場合に、特別償却または税額控除ができる制度でしたが、今回は中小企業投資促進税制よりもさらに節税効果の高い、中小企業経営強化税制について解説します。

 

中小企業経営強化税制とは

 中小企業経営強化税制とは、青色申告書を提出する中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた一定の中小企業者などが、新品の機械および装置などを取得・製作した場合に、特別償却または税額控除ができる制度です。特別償却及び税額控除の金額は下記のとおりです。

 ・特別償却:原則、取得価額の100%

 ・税額控除:原則、取得価額の7%※1 (特定中小企業者の場合10%)

 特定中小企業者とは、下記で解説する「適用対象法人」の中小企業者のうち、資本金・出資金の額が3,000万円以下の法人または農業協同組合等もしくは商店街振興組合をいいます。

 

 特別償却を選択した方がその年度の経費算入額が大きいですが、減価償却費として計上されることから、償却期間全体を通じた経費計上額は変わらず、繰延節税としての効果しかありません。

 一方税額控除は特別償却と比較すると金額は小さいですが、法人税額から直接控除をすることができます。また特別償却は繰延節税としての効果のみでしたが、税額控除は純粋な節税効果を得ることが可能です。

 

※ 税額控除の控除上限は、当該制度の税額控除および「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」(別途解説予定)における税額控除の合計でその事業年度の調整前法人税額の20%とされています。なお、税額控除額が法人税額の20%を超えるために、全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額について1年間の繰越しが認められます。

 

中小企業経営税制の適用要件

 

 適用対象法人

 適用対象法人は、中小企業者または農業協同組合等もしくは商店街振興組合で、青色申告書を提出するもののうち、経営力向上計画の認定を受けたものをいいます。

 ここでいう中小企業者とは、次の①および②に掲げる法人をいいます※1 

 ① 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人※2 

 ② 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

※1 中小企業者のうち「その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人(以下、適用除外事業者)」は対象から除かれます。

※2 次のAからBに掲げる法人は除きます。

 A. その発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されている法人

 B. その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人に所有されている法人

 

 適用対象資産

 適用対象資産は経営力向上計画に係る手続きを経た新品の資産のうち、次の①から④に掲げる生産等設備※1 をいいます。

 ① 機械および装置※2 で1台または1基の取得価額が160万円以上のもの

 ② 測定工具および検査工具、及び備品で、1台または1基の取得価額が30万円以上のもの

 ③ 建物付属設備取得価額が60万円以上のもの

 ④ ソフトウェア※3 取得価額が70万円以上のもの

 

 なお、生産性向上計画の申請をする上では、要件によってA類型〜D類型に分かれており、それぞれの要件を満たす必要があります。(詳細については別の記事にて解説します。)

 

※1 法人が行う生産活動等の収益を稼得するために行う活動の用に直接供される資産をいい、本店等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設のようなものは該当しません。

※2 コインランドリー業(主要な事業であるものを除きます。)の用に供するもので、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものは対象外です。

※3 複写して販売するための原本、開発研究用のものまたはサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは対象外です。

 

 適用対象事業

 この制度の適用対象となる事業は、娯楽業(映画業を除きます。)または性風俗関連特殊営業以外の事業です。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 ここまでは中小企業経営強化税制の概要や対象法人などの要件を解説しましたが、中小企業投資促進税制との最大の相違点は、経営力向上計画に係る手続きを必要とするか否かです。経営力向上計画の認定申請にあたっては細かな申請方法等があるため、当ブログでも後日解説しますのでお待ちいただければと思います。

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