融資に強い会社になろう!〜9.リスケジューリング〜
2024/06/14
はじめに
中小企業や個人事業主は、大企業に比べて資金力が乏しく、事業拡大のためには金融機関からの融資の存在は欠かすことができません。
しかし一言に融資といっても、どういった融資が自分に合っているのか、どのように金融機関と交渉したら良いのかなど、普段金融機関と接する機会のない事業主にとっては不安なことがたくさんあるかと思います。
当ブログでは今回から複数回にわたって、様々な融資に強い会社になるための知識を紹介します。
第9回はリスケジューリングについて解説します。
リスケジューリングとは
「リスケジューリング」(以下、「リスケ」)はビジネスシーンにおいては、「再び予定を立てる」や「予定を変更する」といった意味で使われることが多いかと思いますが、金融機関とのやりとりにおいては、金融機関からの借入金の返済条件の変更を行う際に用いられます。
皆さんに馴染み深い言葉として「借換え」という言葉があるかと思いますが、借換えも返済負担を軽くするという意味においてはリスケと同様ですが、厳密には異なります。例えば既存の融資の返済が困難になってきたため、残りの返済期間を3年から5年に組み直してもらい、月々の返済額を減らしてもらった場合は、これは借換えでありリスケではありません。借換えは現状の融資を一度返済して新たに融資を実行するのに対し、リスケは現状の融資契約を変更します。企業にとってはいずれも返済条件を変更することなのであれば、どちらでも良いと考えるかもしれませんが、詳細はかなり異なります。
まず、月々の返済額と返済期限ですが、借換えの場合、前述の通り新たな融資契約によって返済期限を延ばすことにより長期的に月々の返済額を少なくします。一方リスケの場合は返済期限は変更せず、6カ月や1年の範囲内で各金融機関がそれぞれ月々の返済額を見直し、状況に応じてその都度条件変更契約書を締結します。つまり短期的には月々の返済額は少なくなりますが、その間に事業その間に事業の立て直しを行い、将来の返済に備える必要があります。それに伴い、リスケの場合は金融機関に対しリスケ計画の提出が必要です。計画の作成により今後の返済方法などを説明します。
リスケはしてはいけない?
上述したようにリスケは借換えに比べると様々なデメリットがあるため、借換えをすれば良いと考える方もいるかと思いますが、借換えは金融機関から一定程度信用がある場合でないと行えません。つまりリスケをするということは金融機関の信用が高くない状況にあるということです。また、リスケをする場合、その他の新規融資が受けにくくなります。
このようなことから、リスケはしてはいけないものという印象のもと、リスケに対して過度な不安を抱き、リスケをする前に様々な金融機関から融資を受けようとする経営者もいるのですが、それは悪手です。仮に新たな金融機関から更なる資金調達ができたとしても、数ヶ月程度の調達の場合少しの時間稼ぎにしかなりません。資金繰りが悪化した場合には早めにメインバンクへ相談するようにしましょう。リスケの相談とともに、今後の資金繰り計画を一緒に策定してもらうことによって、根本的な経営状態の改善が見込める可能性があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はリスケジューリングについて、借換えとの差異を中心に解説しましたが、最近ではコロナにより多くの事業者の資金繰りが困難になったという実態も受け、金融機関側としてもリスケに対して柔軟な対応を取るケースも多く見受けられます。困った際にはまずは一度金融機関やお近くの専門家に相談し、今後の計画について話し合うことが大切でしょう。
磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。
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