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【保険】解約返戻金の税務について税理士が解説!

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【保険】解約返戻金の税務について税理士が解説!

【保険】解約返戻金の税務について税理士が解説!

2024/03/04

はじめに

 生命保険を契約している場合、解約の際に解約返戻金を受け取ることがあります。この解約返戻金を受け取った場合には、税務上申告が必要になるケースがあります。今回はどういった種類の税金がかかるのか、どんな時に申告の必要があるのかについて解説します。

 

解約返戻金にかかる税金の種類

 A.所得税

 生命保険契約の契約者(保険料負担者)と、解約保険料受取人が同じ場合、所得税の対象となります。所得税の種類は下記のとおりです。

 ・満期保険金等を一時金で受領した場合:一時所得

 ・満期保険金等を年金で受領した場合:公的年金等以外の雑所得

 ・一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のものおよび保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもの:源泉分離課税

 

 B.贈与税

 生命保険契約の契約者(保険料負担者)と、解約保険料受取人が異なる場合、解約返戻金を受け取った方が贈与税の対象となります。

 

 C.所得税及び贈与税

 生命保険契約の契約者(保険料負担者)を契約の途中で変更した場合、解約返戻金のうち受取人自らが負担した保険料見合いについては所得税の対象となり、受取人以外が負担した保険料見合いについては贈与税の対象となります。

 

税金の計算方法

 A-①.所得税(一時所得)

 (計算式)

  解約返戻金の総額 ー 既に払い込んだ保険料または掛金の額 ー 特別控除額(50万円)

 

 一時所得の場合には、仮にその他に一時所得となるものがない場合、既に払い込んだ保険料または掛金の額に50万円を足した金額よりも、解約返戻金の方が多い場合には確定申告をする必要があります。なお一時所得の場合はさらに、上記で計算した金額を2分の1にした金額が課税の対象になります。

 その後の税額計算等につきましてはこちらを参考にしてください。

【基礎論点】所得税の仕組みを税理士が解説!⑮税額計算及び税額控除(住宅借入金等特別控除)

 

 A-②.所得税(雑所得)

 (計算式)

  年金の額 ー その年金の額に対応する保険料または掛金の額

 

 年金として支払われる際は、上記により計算した金額から10.21%を掛けた金額が源泉徴収されます。ただし、年金の額からそれに対応する保険料または掛金の額を控除した残額が25万円未満の場合には源泉徴収されないため、確定申告する必要があります。

 なお、「その年金の額に対応する保険料または掛金の額」は、下記のとおり計算します。

  年金の額 × ((払込保険料の合計額 / 年金の総支給見込額)(小数点第3位以下切上げ))

※「年金の総支給見込額」は年金の種類によって以下のように異なります。

  ー終身年金の場合:年金年額×余命年数(参考)

  ー確定年金の場合:年金年額×支給期間

  ー保証期間付終身年金の場合:年金年額×(余命年数(参考)と保証期間年数とのいずれか長い年数)

  ー有期年金の場合:年金年額×(支給期間と余命年数(参考)のいずれか短い年数)

 余命年数は所得税法施行令によって下記のように定められています。

年齢 55歳 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 66歳 67歳 68歳 69歳 70歳 75歳 80歳
男性 23 19 18 17 17 16 15 14 14 13 12 12 8 6
女性 27 23 22 21 20 19 18 18 17 16 15 14 11 8

 

A-③.所得税(源泉分離課税)

 一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のものおよび保険期間等が5年超で5年以内に解約されたものについては、一律20.315%の税率による源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了します。

 

 B.贈与税

 贈与税の対象となる場合は、解約返戻金がそのまま課税対象額となります。

 贈与税の計算にあたっては、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計し、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。

次に、その残りの金額に下記の税率を乗じて税額を計算します。

一般贈与財産用 特例贈与財産用
基礎控除後の課税価格 税率 控除額 基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下

10%

200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円 400万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円 600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 40% 125万円 1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 45% 175万円 1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 50% 250万円 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超 55% 400万円 4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円以下 55% 640万円

※特例贈与財産用は、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の者が、直系尊属(父母や祖父母など)から贈与を受けた場合に使用します。それ以外は一般贈与財産用を使用します。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 保険の解約返戻金については、人生で何度も受け取る機会はないために、その手続きについても誤ってしまいがちです。申告誤りとならないよう、専門家に相談して対応するようにしましょう。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

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