【事業】交際費の論点を税理士が解説!③〜交際費の損金算入限度額〜
2023/10/06
はじめに
企業を運営する中で、取引先との飲食のためなどの交際費は重要な活動のための費用かと思います。しかし交際費は、損金算入の要件があったり範囲が決められていたりと、正しい知識を必要とする科目です。当ブログでは複数回にわたって交際費の論点を解説しています。今回は交際費の損金算入限度額についてです。
交際費の損金算入限度額
法人税法上、交際費は「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するもの」と規定されています。交際費等の額は、原則として、その全額が損金不算入とされていますが、損金不算入額の計算に当たっては、下記の法人の区分に応じ、一定の措置が設けられています。
期末の資本金の額が1億円以下である等の法人
損金不算入額は、「年間800万円まで」または「交際費等の額のうち、接待飲食費の50%まで」の、いずれかを選択して損金として算入できます。年間の接待飲食費が1600万円を超えない場合は、「年間800万円まで」を選択した方が有利なため、多くの中小事業者は「年間800万円まで」を目安にすると良いかと思います。
期末の資本金の額が1億円超である等の法人
上記のような選択適用ではなく、「交際費等の額のうち、接待飲食費の50%まで」交際費として損金に算入できます。
ただし、期末の資本金の額が100億円をこえる法人は交際費は全額損金として算入できないこととされています。
個人事業主
個人事業主の交際費の限度額は規定されておらず、理論上は全額損金算入が可能です。
しかし、事業の業種や形態、事業規模と比較して、多額でプライベートとの境界が曖昧な交際費を支出している場合、税務調査において否認されるリスクが高まります。金額的に妥当で、その営業活動のために必要な費用であるという裏付ができるように、普段から証拠となる書類や情報を残しておくことが大切となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
前述したように、中条事業主については「年間800万円まで」を目安に事業運営を検討されると良いかと思います。ただし、年間800万円以内であっても、プライベートの費用は交際費として認められませんのでご注意ください。
次回は交際費と類似する費用との区分について一部解説します。
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