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【税金】不動産所得の取得費と譲渡費用に含められるものを税理士が解説!

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【税金】不動産所得の取得費と譲渡費用に含められるものを税理士が解説!

【税金】不動産所得の取得費と譲渡費用に含められるものを税理士が解説!

2023/07/24

はじめに

 不動産等を譲渡した際には、譲渡所得が課せられます。譲渡所得は基本的には土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて、そこから場合により特別控除額を差し引いて計算します。

・収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

 取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料などの譲渡する不動産を購入する際にかかった費用のことを指し、譲渡費用とは、土地や建物を売るために直接かかった費用のことを指します。なお、なお、建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額となります。取得費や譲渡費用を正しく集計することによって、譲渡所得を低く抑えることが可能になるため、今回は取得費や譲渡費用に含められるものを解説しようと思います。

 

取得費

 取得費について、上記説明した購入代金、建築代金、購入手数料以外に取得費に含まれる主なものは次のとおりです。ただし、事業所得や不動産所得などの必要経費に算入されたものは含まれません。

①設備費や改良費

 建物につきリフォームをした場合やガス設備、電気設備等を新たに付け加えた場合、かかった費用から減価償却費控除後の残額を取得費に含めます。

②購入時の登録免許税、登記費用、不動産取得税、特別土地保有税、印紙税、未経過固定資産税

 登記費用には登記を司法書士に依頼した際の報酬も含めます。

③立退料

 借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料のことです。

④土地の造成費用・測量費

 地盤強化等のために土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用や、土地の取得に際して支払った土地の測量費です。

⑤訴訟費用

 所有権を取得するために、紛争した場合の訴訟費用のことですが、相続財産である土地を遺産分割するためにかかった訴訟費用等は、取得費になりません。

⑥建物の取り壊し費用、取り壊し前提の建物の取得費

 建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用が取得費に含まれます。

⑦借入日から使用開始前の期間に係る借入金の利子

 借入実行日と引き渡し日が異なる場合に発生する費用です。

⑧違約金

購入契約を解除した場合に違約金が発生することが一般的ですが、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金は取得費に含めることができます。

 

譲渡費用

 譲渡費用の主なものは次のとおりです。取得費と異なり、売るために直接かかった費用のみが対象となるため、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用などは譲渡費用になりません。

①土地や建物を売るために支払った仲介手数料

 なお、宅地建物取引業免許を有しない者に支払った手数料については、譲渡費用に該当しないと判断される可能性もあります。

②印紙税

 売買契約書に貼られた収入印紙は譲渡費用に該当します。

③立退料

 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料が譲渡費用に含まれます。

④建物の取壊し費用

 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用やその建物の損失額が譲渡費用に含まれます。なお、建物が滅失したときは、その所有者は滅失の日から1ヶ月以内に、その建物の滅失登記をしなければなりませんが、この滅失登記が土地譲渡のために行われた場合には、その登記費用も譲渡費用に該当します。

⑤違約金

 既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金が譲渡費用に含まれます。

⑥名義書換料

 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料は譲渡費用に該当します。

⑦測量費用

 土地の売買をする際に、その土地の面積を明らかにするため売主負担で確定測量図を作成するために土地家屋調査士等に支払った測量費用は譲渡費用に該当します。売買の話がない段階での測量費用は該当しません。

 

 これらは主なものであり、売るために直接かかった費用であれば、譲渡費用に該当するケースがあります(旅費交通費・広告費・弁護士費用など)。具体的な案件については、税理士等の専門家に相談することをお勧めします。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 取得費や譲渡費用の具体例を挙げていきましたが、重要なことは、これらの証拠書類をきちんと保管しておくことです。証拠となる書類がない場合は税務調査で指摘され、思わぬ加算税が課される場合があります。(取得費に関しては、取得費がわからない場合でも売った金額の5%相当額を取得費とすることができますが、5%では相当少ない金額となってしまいます。)将来譲渡する可能性を考慮して、取得時からこれらの証票は保存しておくことにしましょう。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

(本記事は、掲載時点の税制等に基づき記載しております。)

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