【税金】個人住民税の基礎知識を税理士が解説!
2023/07/17
はじめに
住民税とは都道府県や市区町村がおこなう教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理といった、行政サービスをまかなうために支払う税金です。住民税には「市町村民税」と「道府県民税」があり、さらにその市区町村(都道府県)に住所などがある個人が負担するものを「個人住民税」、法人が負担するものを「法人住民税」と呼びます。今回はこれから起業される個人事業主の方やサラリーマンの方向けに、個人住民税の基本を解説していきます。
個人住民税額の決定方法
納付義務者及び計算時期
住民税は収入や住んでいる地域によって税額が異なります。住民税はその年の1月1日現在の居住地に納税されるため、1月2日に引っ越ししたとしても、その年度は旧住所の自治体から住民税の請求がなされます。また、住民税は前年の1月1日から12月31日までの給与やその他所得に基づいて計算され、5月から6月にかけて「住民税決定通知書」が届きます。サラリーマンの場合は事業主が当該「住民税決定通知書」をもとに6月から翌年の5月までの12回に分割して給与から住民税の天引きを行います(特別徴収)。つまり、住民税天引きが始まるのは入社2年目の6月からということになります。一方個人事業主の場合は「住民税決定通知書」に記載されている金額をご自身で一括もしくは四半期ごとに納付します(普通徴収)。
均等割・所得割
個人住民税には、所得に応じた負担を求める「所得割」と、所得にかかわらず定額の負担を求める「均等割」があります。所得割の税率は所得に対して10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%(政令指定都市については、道府県民税が2%、市民税が8%))とされており、均等割は一律5,000円(道府県民税が1,500円、市町村民税が3,500円)とされています。実際の課税では、これらの基準を踏まえ都道府県や市町村が自らの判断で税率を定め、納めるべき額を決定しています。なお、道府県民税には、所得割・均等割のほかにも、一定の株式などによる利益についても課税の対象とするもの(利子割、配当割、株式等譲渡所得割)があります。
詳細な税額の計算方法
①所得金額ー所得控除額=課税所得金額
所得控除について、所得税における所得控除と種類は一致していますが、控除額は異なります。よく耳にする103万円の壁というのは所得税が課税されない基準であり、住民税は98万円から納税対象になりますが、それはこの控除額の影響によるものです。
②課税所得金額×10%ー税額控除額=所得割額
税額控除については、所得税における税額控除と一致しています。
③所得割額+均等割額=個人住民税
まとめ
いかがだったでしょうか。
住民税は自身で申告することはほとんどなく、深く考える機会も多くないかと思いますが、これを機に、住民税の仕組みを理解してもらえればと思います。
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(本記事は、掲載時点の税制等に基づき記載しております。)
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