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【節税】中小企業向け賃上げ促進税制を税理士が解説!

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【節税】中小企業向け賃上げ促進税制を税理士が解説!

【節税】中小企業向け賃上げ促進税制を税理士が解説!

2023/06/26

はじめに

 「中小企業向け賃上げ促進税制」は、中小企業者等が、前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。令和4年3月31日までは「中小企業向け所得拡大促進税制」と呼ばれていましたが、改正により一部要件が緩和されているのが特徴です。今回はこの「中小企業向け賃上げ促進税制」について、解説していきます。

 

概要

 「中小企業向け賃上げ促進税制」の適用要件と税額控除額は下記の通りです。

 

適用要件

税額控除

通常要件

雇用者給与等支給額が前年度と

比べて 1.5%以上増加

控除対象雇用者給与等支給増加額

15%を法人税額又は所得税額から控除

上乗せ要件1

雇用者給与等支給額が前年度と

比べて 2.5%以上増加

税額控除率を15%上乗せ

上乗せ要件2

教育訓練費の額が前年度と比べて

10%以上増加

税額控除率を10%上乗せ

 ※税額控除額の上限:法人税額又は所得税額の20%(通常・上乗せ共通)

 通常要件では、給与の支給額が前年より1.5%以上増加していた場合、支給増加額の15%が税額控除できます。

 さらに給与の支給額が前年より2.5%以上増加していた場合、支給増加額の30%が税額控除できることになります。

 そこにさらに、教育訓練費が前年より10%以上増加していた場合、支給増加額の40%が税額控除できることになります。

 

 以下、その他適用できる詳細な要件を説明します。

 

中小企業の要件

 「中小企業向け賃上げ促進税制」を適用できる会社(個人事業主)の要件があります。

・法人の場合

①青色申告書を提出していること

②以下のいずれかに該当すること(ただし、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人は対象外)

←通常はAに該当するかを確認すれば大丈夫です。

 A.資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人

 ただし、以下の法人は対象外

 ・同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)から2分の1以上の出資を受ける法人
 ・2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

 B.資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

・個人事業主の場合

①青色申告書を提出していること

常時使用する従業員数が1,000人以下であること

 

雇用者給与等支給額

 雇用者給与等支給額に該当する給与とは、『俸給・給料・賃金・歳費及び賞与並びに、これらの性質を有する給与(所得税法第28条第1項に規定する給与等)』をさします。よって通勤手当についても給与に含まれます。ただし、退職金など、給与所得とならないものについては給与に含まれません。

 なお、雇用保険法に基づき支給される助成金(雇用調整助成金額)以外の、給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(出向者給与の受入金等)がある場合には、当該金額を控除します。

 また、雇用者給与等支給額は賃金台帳に記載された国内雇用者に対する給与等の支給額をいいますので、パート、アルバイト、日雇い労働者は含みますが、使用人兼務役員を含む役員及び役員の特殊関係者(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族等)、個人事業主の特殊関係者は含まれません。

 

控除対象雇用者給与等支給増加額

 控除対象雇用者給与等支給増加額は、『適用年度の「雇用者給与等支給額」から前事業年度の「比較雇用者給与等支給額」を控除した金額』をさします。よって、上記同様、給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(雇用調整助成金額を除く)がある場合には、当該金額を控除します。

 また、控除対象雇用者給与等支給増加額は、調整雇用者給与等支給増加額を上限とします。調整雇用者給与等支給増加額は、控除対象雇用者給与等支給増加額で控除しなかった、雇用調整助成金額も控除した場合の増加額となります。

 

教育訓練費

 教育訓練費は、『所得の金額の計算上損金の額に算入される、国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるために支出する費用のうち一定のもの』をさします。具体的には外部講師謝金等、外部施設使用料等、研修委託費等、外部研修参加費等などが含まれますが、教育訓練等に関連する旅費、交通費、食費、宿泊費、または教材等の購入費等は含まれません。

 

事業年度が12月以外の場合

 事業年度が12月以外の場合は、前事業年度の月数を当事業年度の月数に合わせるように調整します。

・前事業年度の月数が適用年度の月数を超える場合

 →前事業年度における国内雇用者の給与等支給額×適用年度の月数/前事業年度の月数

・前事業年度の月数が適用年度の月数に満たない場合(前事業年度が6月以上の場合)

 →前事業年度における国内雇用者の給与等支給額×適用年度の月数/前事業年度の月数

・前事業年度の月数が適用年度の月数に満たない場合(前事業年度が6月に満たない場合)

 →前事業年度における国内雇用者の給与等支給額×適用年度の月数/適用年度の開始の日の前日~過去1年以内に終了した各事業年度の月数

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

流動化がすすむ雇用の中において、給与支給額の増加は従業員の福利厚生にも重要であり、持続的に企業が成長していくためにはこの中小企業向け賃上げ促進税制は是非とも検討してほしい税制です。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

(本記事は、掲載時点の税制等に基づき記載しております)

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