税務書類の記載方法を税理士が解説!1(法人設立届出書・(地方)法人設立、設置届出書・給与支払事務所等の届出書)
2023/06/12
はじめに
前回、法人設立や開業時に必要な書類の概要を解説しました。
(【事業】個人事業の開業時の必要書類について税理士が解説!)
今回から紹介した各種書類の記載の仕方について解説しています。初めに「法人設立届出書」と「(地方)法人設立、設置届出書」「給与支払事務所等の届出書」の記載方法について解説します。なお、「給与支払事務所等の届出書」に関しては、個人事業主でも同様の書式となるため、法人の場合と個人事業主の場合の違いについても解説します。
法人設立届出書
①法人の基本情報を記載します。
日付:法人設立届出書を税務署に提出する年月日を記載します。
税務署長殿:会社を設立した本店所在地を管轄する税務署を記載します。
整理番号:記載なしで大丈夫です。
本店の又は主たる事務所の所在地:本店か事務所の所在地・電話番号を記載します。電話番号は固定電話、携帯電話どちらでも大丈夫です。
納税地:法人の場合は、「本店または主たる事務所の所在地」が納税地となります。よって、基本的には「同上」とまとめて頂いて構いません。
法人名:登記してある正式名称の法人名を記載します。フリガナも忘れず記載してください。
法人番号:法人番号を記載します。提出日にまだ指定を受けてなければ記載は不要です。
代表者氏名・代表者住所:代表者の氏名・住所・電話番号を記載します。こちらも、固定電話がなければ携帯の電話番号で大丈夫です。またフリガナまで忘れず記載してください。
②設立する法人の概要を記載する欄です。
設立年月日:登記簿謄本に記載されている登記年月日を記載します。
事業年度:定款に記載されている会計年度を記載します。
設立時の資本金又は出資の金の額:登記した資本金の額を記載します。
消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日:資本金が1,000万円以上の新設法人の場合は設立年月日と同様の日付を記載します。
事業の目的:事業の概要を記載します。
(定款等に記載しているもの)
「定款」に記載されている事業の目的の概要を書いてください。提出する際には定款のコピーを添付するので、詳細に記載する必要はありません。事業内容が複数ある場合は、メインのものを選んで記載すれば大丈夫です。
(現に営んでいる又は営む予定のもの)
定款と記載されているものと同じか、又は未定の場合は「同上」と記載しましょう。
支店・出張所・工場等:左記がある場合は記載します。
設立の形態:該当する形態に〇をつけます。法人設立の場合は「5.その他」に◯を付け、「設立」と記載します。
事業開始(見込み)年月日:事業開始日か開始予定の日を記載します。基本的には設立年月日と同じで大丈夫です。
「給与支払事務所等解説届出書」提出の有無:該当する方へ〇をつけます。給与の支払がある場合には、「有」に〇を付けてください
添付書類:「1 定款等の写し」に〇を付け、必要があれば追記します。
③税理士の関与があれば、記載する箇所です。
当該記事を読んでくださっているということは、ご自身で法人設立届出書を作成するということかと思いますので、今後も税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。
(地方)法人設立、設置届出書
(地方)法人設立、設置届出書は都道府県毎に異なるため、今回は茨城県県税事務所への届出書を例に記載します。
①法人の基本情報を記載します。
日付:提出する年月日を記載します。
法人名:登記してある正式名所の法人名を記載します。
本店等所在地:登記簿謄本に記載されているものを記載します。電話番号は固定電話がなければ携帯の電話番号で大丈夫です。
代表者氏名・代表者住所:代表者の氏名・住所を記載します。
事業年度:定款に記載されている会計年度を記載します。
設立登記年月日:登記簿謄本に記載されている登記年月日を記載します。
「資本金の額•••」〜資本金等の額:設立当初で資本金のみの出資の場合は全て登記簿謄本に記載されている資本金の額を記載すれば大丈夫です。
事業の種類:「定款」に記載されている事業の目的の概要を記載します。
事務所等(本店含む)•••:茨城県以外に事務所がある場合にチェックをします。
②本店以外に事務所がある場合に、当該事務所の名称・従業員数・所在地・設立年月日を記載する欄です。
本社のみの場合は空欄で大丈夫です。
③申告内容を変更したり、解散をする場合に記載する欄です。
設立時は空欄で大丈夫です。
④税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。
税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。
給与支払事務所等の届出書
①基本情報を記載する欄です。
題名:法人設立・開業時には「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の「開設」を○印で囲みます。なお、法人成りする場合、個人事業主のときにこの届出書を提出していれば「移転」、提出していない場合は「開設」を選びます。
日付:税務署に提出する日を記載します。
税務署長殿:
(法人の場合)会社を設立した本店所在地を管轄する税務署を記載します。
(個人事業主の場合)納税地の住所を管轄する税務署を記載します。
住所又は本店所在地:納税地として届け出ている事務所の住所を記載します。
氏名又は名称・代表者氏名:
(法人の場合)法人名及び代表者氏名を記載します。
(個人事業主の場合)氏名を記載しますが、個人事業主で屋号を使用している場合は屋号を記載し、書類下部の「代表者氏名」の欄に事業主の氏名を書きます。屋号を使っていない個人事業主は氏名または名称は空欄で大丈夫です。
個人番号又は法人番号:個人事業主はマイナンバーを、法人は13桁の法人番号を記載します。
②届出事項の内容及び理由について記載する欄です。
開設・移転・廃止年月日:従業員を雇い入れた日(法人であれば事業所の開設日)を記載します。
給与支払を開始する年月日:給与の支払いを開始した日(または開始予定日)を記載します。
届出の内容及び理由:
法人設立・開業時は、「開設」欄の「開業又は法人の設立」にチェックを入れます。ただし、「題名」で「移転」に○印をつけた法人成りの場合は、「移転」欄の「既存の給与支払事務所等への引継ぎ」にチェックを入れます。
③給与支払事務所の情報を記載する欄です。
住所又は所在地:
法人の場合は開設する事務所などの所在地を記入します。個人事業主が新たに従業員を雇用する場合は、空欄で大丈夫です。
なお、「題名」で「移転」に○印をつけた法人成りの場合は、左側の枠「開設・異動前」に個人事業主の際の名称(または氏名)を記載し、右側の枠「異動後」に法人の名称や所在地を記載します。
責任者氏名:給与支払いの責任者の氏名を記載します。
従事員数:役員・従業員の区分ごとに該当する人数を記載します。例えば、法人で自分以外に従業員がいない場合は、「役員1人」「従業員0人」となります。
④税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。
税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
いずれも記入が難しい項目はありませんが、作成にあたって不安がある場合には専門家に依頼することをお勧めします。
磯会計センターでは、会社設立の手続きや開業の手続きも、一からフルサポートしております。茨城県で開業や法人設立を検討している方は是非一度ご相談ください。
(※当該記事は投稿時点の法令等に基づいて掲載しております。)
----------------------------------------------------------------------
株式会社磯会計センター
〒308-0844
茨城県筑西市下野殿852-3 メゾンルーチェⅡ
電話番号 : 0296-24-3630
FAX番号 : 0296-25-1588
----------------------------------------------------------------------