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税務書類の記載方法を税理士が解説!5(棚卸資産の評価方法の届出書・減価償却資産の償却方法の届出書)

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税務書類の記載方法を税理士が解説!5(棚卸資産の評価方法の届出書・減価償却資産の償却方法の届出書)

税務書類の記載方法を税理士が解説!5(棚卸資産の評価方法の届出書・減価償却資産の償却方法の届出書)

2023/06/21

はじめに

 前回から、法人設立や開業時に必要な書類の概要や、各種書類の記載の仕方について解説しています。

 今回は「棚卸資産の評価方法の届出書」と「減価償却資産の償却方法の届出書」の記載方法について解説します。いずれも届出をするケースは多くないと思いますが、実態に即した評価方法をしたい事業主の方はぜひこちらの記事を参考にしてください。また併せて、「所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書」も紹介します。

 

棚卸資産の評価方法の届出書

①法人の基本情報を記載します。

 日付:税務署に持参する日、または郵送する日を記載します。

 税務署長殿:会社を設立した本店所在地を管轄する税務署を記載します。

 納税地:会社を設立した所在地と電話番号(代表者の携帯電話でも可)を記載します。

 法人名等〜代表者住所:定款や謄本に記載されている情報を記載します。

 事業種目:定款に記載されている事業の目的を記載します。

 

②届出する法人が連結こ法人の場合に記載する欄です。

 基本的には空欄で大丈夫です。

 

③具体的な棚卸資産の評価方法を選択する欄です。

 まず事業の種類には①で記載した事業種目を記載します。

 次に資産の区分ごとに評価方法を記載します。評価方法には「原価法」もしくは「低価法」のそれぞれに6種類あります。

原価法 「帳簿価額」を評価額にする方法
低価法 「期末の時価」と「帳簿価額」を比較して低い方を評価額とする方法
上記の評価方法ごとに下記の評価方法を選択
個別法 各仕入時の単価で評価する方法
先入先出法 先に仕入れた棚卸資産が先に払い出され、残った棚卸資産の単価で評価する方法
総平均法 前期末の棚卸資産と当期に仕入れた棚卸資産の平均単価を期末時に計算し評価する方法
移動平均法

仕入れた都度、その時点の単価と仕入れた単価の平均単価を計算し評価する方法

最終仕入原価法 最後に仕入れた棚卸資産の単価で評価する方法。
売価還元法 棚卸資産のグループごとの販売価格に原価率を乗じて計算し評価する方法。

 

名称

原価法

低価法
個別法

個別法による原価法

個別法による原価法に基づく低価法

先入先出法

先入先出法による原価法

先入先出法による原価法に基づく低価法

総平均法

総平均法による原価法

総平均法による原価法に基づく低価法

移動平均法

移動平均法による原価法

移動平均法による原価法に基づく低価法

最終仕入原価法

最終仕入原価法による原価法

最終仕入原価法による原価法に基づく低価法

売価還元法

売価還元法による原価法

売価還元法による原価法に基づく低価法

※一度の仕入で大量に取得し、かつ規格に応じて価額が定められている棚卸資産については個別法による原価法(低価法を含む)は選択できません。

 

 参考事項の欄は、会社設立と同時に当該届出をする場合は、1に設立年月日を記載し、それ以外は基本的は空欄で大丈夫です。

 

④税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。

 税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。

 

減価償却資産の償却方法の届出書

①法人の基本情報を記載します。

 日付:税務署に持参する日、または郵送する日を記載します。

 税務署長殿:会社を設立した本店所在地を管轄する税務署を記載します。

 納税地:会社を設立した所在地と電話番号(代表者の携帯電話でも可)を記載します。

 法人名等〜代表者住所:定款や謄本に記載されている情報を記載します。

 事業種目:定款に記載されている事業の目的を記載します。

 

②届出する法人が連結こ法人の場合に記載する欄です。

 基本的には空欄で大丈夫です。

 

③具体的な減価償却資産の償却方法を選択する欄です。

 資産、設備の種類毎に償却方法を記載します。なお、償却方法は「定額法」と「定率法」があります。

定額法

取得価格に償却率をかけて減価償却費を計算する方法。減価償却費は基本的に毎年同額になる。

(計算式)減価償却費=取得価額×定額法の償却率

定率法

帳簿価格に償却率をかけて減価償却費を計算する方法。減価償却費は初年度が一番大きく、次第に減少していく。

(計算式)減価償却費=(取得価額ー減価償却累計額)×定率法の償却率

 

 また、参考情報の欄は、会社設立と同時に当該届出をする場合は、1に設立年月日を記載し、それ以外は基本的は空欄で大丈夫です。

 

④税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。

 税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。

 

所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

①基本情報を記載します。

 題名:棚卸資産の評価方法について届出をする場合には上、減価償却資産の償却方法について届出をする場合には下にチェックします。

 税務署長〜屋号:開業届と同様の記載をします。

 

②棚卸資産の評価方法について届出をする場合に記載する欄です。

 記載の方法は、上記「棚卸資産の評価方法の届出書」と同様です。

 

③減価償却資産の償却方法について届出をする場合に記載する欄です。

 記載の方法は、上記「減価償却資産の償却方法の届出書」と同様です。

 なお、これから開業する人は、(2)に記載しましょう。

 

④その他参考情報を記載する欄です。

 減価償却資産の償却方法についての届出において建物の償却方法を記載した場合、建物の取得年月日を記載します。

 

⑤税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。

 税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 棚卸資産の評価方法や減価償却資産の償却方法の具体的な内容は、イメージがつきにくい項目もあるかと思いますので、作成にあたって不安がある場合には専門家に依頼することをお勧めします。

 磯会計センターでは、会社設立の手続きや開業の手続きも、一からフルサポートしております。茨城県で開業や法人設立を検討している方は是非一度ご相談ください。

 

(※当該記事は投稿時点の法令等に基づいて掲載しております。)

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