税務書類の記載方法を税理士が解説!4(個人事業の開業・廃業等届出書・所得税の青色申告承認申請書)
2023/06/19
はじめに
前回から、法人設立や開業時に必要な書類の概要や、各種書類の記載の仕方について解説しています。
今回は「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」の記載方法について解説します。いずれも個人事業主の開業の際に必要となる書類となっていますので、開業をご検討の際は是非確認ください。
個人事業の開業・廃業等届出書
①基本情報を記載します。
税務署長殿:納税地を管轄する税務署を記載します。
日付:税務署に持参する日、または郵送する日を記載します。
納税地:基本的には「住所地」にチェックを入れて、実際に住んでいる「住所」と「電話番号(携帯でも可)」を記入します。
※「居所地」は海外に住んでいる場合に、日本で開業をする際に選びます。「事業所等」は住所地のほかに、事業を営むためのお店や事務所があり、そちらを納税地としたい場合に選びます。
上記以外の住所地・事業所等:住所地とは別に事業所がある場合、事業所の住所を記載します。
※納税地を「事業所等」にした場合は、「住所地」を記載します。
氏名・生年月日:開業する方の氏名・生年月日を記載します。
個人番号:マイナンバーカードに記載されているマイナンバーを記入します。
職業:書き方に決まりはないため、客観的に理解できる名称で記載しましょう。
屋号:使用する予定がなければ空欄で大丈夫です。
②事業の詳細を記載する箇所です。
届出の区分:「開業」にチェックを入れます。
※相続等で事業を引き継ぐことになった場合には、引き継がれる方の住所、氏名を記載します。
所得の種類:不動産による所得、山林による所得以外は「事業所得」にチェックを入れます。
開業・廃業等日:開業の事実があった日を記載します。
事業所等を新増設、移転、廃止した場合:開業時は空欄で大丈夫です。
廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合:開業時は空欄で大丈夫です。
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無:開業と併せて、青色申告承認申請書や消費税の課税事業者選択届出書を提出する場合はチェックを入れます。
事業の概要:書き方に決まりはないため、職業欄に記入した職業について、具体的に記載します。
③事業主の他に従業員がいる場合に記載します。
給与等の支払の状況:専従者、使用人、それぞれ雇用する人数を記載します。また、「給与の定め方」には月給、時給などを記載します。「税額の有無」には、源泉徴収する場合は「有」にチェックします(月額88,000円以上支払う場合には源泉徴収することになるでしょう)。
その他参考情報:基本的には空欄で大丈夫です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無:提出する場合は「有」にチェックします。
給与支払を開始する年月日:最初に給与を支払う予定の日付を記載します。
④税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。
税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。
所得税の青色申告承認申請書
①基本情報を記載します。
税務署長殿:納税地を管轄する税務署を記載します。
日付:税務署に持参する日、または郵送する日を記載します。
納税地〜屋号:「個人事業の開業・廃業等届出書」と同様の情報を記載します。
②事業の内容について記載する欄です。
令和_年度分以後の・・・:
青色申告を始めたい年を記載します。提出期限については『【事業】個人事業の開業時の必要書類について税理士が解説!』をご確認ください。
1 事業所又は・・・:
複数の店舗等がある場合、事務所の屋号とその住所を記載します。①で記載した事務所のみである場合は空欄で大丈夫です。
2 所得の種類:
「個人事業の開業・廃業等届出書」でチェックした所得と同様の所得をチェックします。
3 今までに・・・:
過去に青色申告の取り消しを受けたことがない場合には「無」にチェックします。
4 本年1月16日・・・:
当該書類を提出してから開業する場合に記載する欄です。基本的には空欄で大丈夫です。
5 相続による・・・:
該当がなければ「無」にチェックします。
※相続により事業承継を受けた場合には、「有」にチェックし、相続開始年月日と被相続人の名前を記載します。
6 その他参考事項(1):
青色申告で65万円控除を受けたい場合は「複式簿記」に、10万円控除で良い場合は「簡易簿記」にチェックを入れます。
6 その他参考事項(2):
65万円控除を受ける場合は、現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳・預金出納帳・総勘定元帳・仕訳帳にチェックを入れます。
6 その他参考事項(3):
基本的には空欄で大丈夫です。
③税理士の関与がある場合に税理士が署名する欄です。
税理士の関与がなければ空欄で大丈夫です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
いずれも記入が難しい項目はありませんが、作成にあたって不安がある場合には専門家に依頼することをお勧めします。
磯会計センターでは、会社設立の手続きや開業の手続きも、一からフルサポートしております。茨城県で開業や法人設立を検討している方は是非一度ご相談ください。
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