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【所得税】生計を一にする親族への対価の支払いについて税理士が解説!

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【所得税】生計を一にする親族への対価の支払いについて税理士が解説!

【所得税】生計を一にする親族への対価の支払いについて税理士が解説!

2023/06/05

はじめに

 個人事業主の方で、親族に事業を手伝ってもらっているケースは多いかと思います。しかし、「生計を一にする親族」に対して対価を支払う際の取り扱いには注意が必要です。今回はこの「生計を一にする親族に対する対価の支払い」に関する注意点を解説していきます。

 

「生計を一にする親族」とは

  「生計を一にする親族」と聞いて一番に思い浮かぶものは配偶者や子供かと思いますが、所得税法において、「生計を一にする」とは、日常の生活の資を共にすることをいいます。よって、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではなく、所得税基本通達 2−47において、次のような例示が示されています。

 ① 親族が同一の家屋に起居している場合

・明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、生計を一にするとされます。

 ② 親族が同一の家屋に起居していない場合

・勤務、修学の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない場合で、その親族が勤務、修学等の余暇には、当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合には、生計を一にするとされます。

・これらの親族間で、常に生活費、学費、療養費などの送金が行われている場合には、生計を一にするとされます。

 

生計を一にする親族に対する対価の取扱い(原則)

 所得税法においては超過累進税率を採用しているため、家族間の名目的な対価の支払いを認めてしまうと、恣意的な所得分散を行うことによって税負担の軽減を図ることが可能となってしまうため、生計を一にする親族が事業に従事したことなどにより対価の支払いをする場合には、原則として必要経費に算入しないこととされています。一方支払いを受けた側も、その対価はないものとみなされるため、対価に対して課税がされることもありません。

 また、例えば生計を一にする親族が所有する不動産を借りている場合の賃借料は上記の通り必要経費には算入できませんが、所有者側で本来経費になるような、「減価償却費、固定資産税、修繕費」等は、借主側の必要経費に算入できることとされています。

 

生計を一にする親族に対する対価の取扱い(例外)

 生計を一にする親族に対して対価を支払った場合は、上記の通り原則必要経費とはなりませんが、一定の要件を満たすときは、必要経費にすることができることになっています。それが「青色事業専従者給与」と「事業専従者控除」です。

①青色事業専従者給与

 青色申告者であれば、生計を一にする親族に支払った給与を必要経費にすることができます。当該制度を利用する際の注意点として、親族が専らその事業に従事している必要があります。よって、親族が兼業をしていたり、パートの傍ら事業を手伝っている場合などは原則として当該制度を利用することができません。また、学生に関しても原則要件を見たすことができません。

 具体的な「専ら」の期間ですが、原則としては6月を超える期間事業に従事する必要がありますが、休業期間があったり、親族が病気や婚姻等により1年を通じて事業に従事できない事情がある場合、従事可能期間の2分の1を超える期間事業に従事すれば要件を満たすこととなっています。

②事業専従者控除

 白色申告者の事業に親族が専らその事業に従事している場合、50万円(配偶者は86万円)必要経費に算入することができます。こちらに関しては青色事業者専従者給与と違い、親族に対して対価の支払いがなくても大丈夫です。ただし当該必要経費の額が、「所得金額÷(事業専従者+1)」より大きい場合、「所得金額÷(事業専従者+1)」が必要経費の額となります。

 また、事業専従者控除に関しても、親族が専らその事業に従事している必要があります。青色事業者専従者給与との違いとして、こちらは例外なく6月を超える期間事業に従事する必要があります。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

 生計を一にする親族に対して対価を支払った場合、原則として当該取引はなかったものとされ、贈与と判断されてしまいます。また、青色事業専従者給与を利用する場合も、「青色事業専従者給与に関する届出書」その年の3月15日までに税務署に提出しなければならないため、ご自身で対応することが困難な場合は、専門家に相談することをお勧めします。

 磯会計センターでは、茨城でお困りの中小事業主様や個人事業主様に、会計・税務から補助金・融資など幅広くサポートをしておりますので、お悩み事がございましたらぜひお気軽にご相談ください。

 

(本記事は、掲載時点の税制等に基づき記載しております)

 

 

 

 

 

 

 

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