【税務】従業員に対する食事代支給の注意点を税理士が解説!
2023/05/19
はじめに
中小事業主や、従業員を雇用する個人事業主の方々の中には、福利厚生の一環で従業員の昼食代を会社で負担しているケースがあるかと思います。また、飲食業では、従業員に賄いを提供している事業主は多いのではないでしょうか。
この「食事の提供」ですが、いくつか気をつけなければならない点があります。今回は従業員に対して職従業員に対して食事を提供した場合に注意すべき点を解説します。今まで良かれと思って行ってきた福利厚生によって、税務調査で指摘を受けてしまうことのないように、参考にしていただければと思います。
食事の提供を福利厚生費とするための要件
昼食代は従業員の生活費の中で負担することが原則ですので、会社が負担した場合は、現物給与を行なったとみなして給与所得に加算し、所得税を源泉徴収する必要があります。しかし、下記2要件をすべて満たすことにより、会社が負担した食事を非課税とすることができます。
(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2)次の金額が1か月当たり3,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
例えば、1か月当たりの食事の価額が10,000円で、役員や使用人の負担している金額が6,000円の場合、役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していますが、
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が4,000円となり、3,500円を超えてしまうため、当該4,000円が、給与として課税されてしまいます。
従業員に対する昼食代の現金支給は注意!
福利厚生として認められている「食事の提供」というのは、下記のいずれかことを指します。
1 弁当などを購入して支給している場合には、業者に支払う購入金額
2 社員食堂などで会社が作った食事を支給している場合には、食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額
つまり、一旦会社が食事に対する費用を負担し、後で従業員から本人負担分を徴収する必要があります(給料からの天引きでも可能)。
例えば、事業主の指定した近隣の飲食店を昼食で利用した場合に、食事代の50%相当額を会社が負担金として支給するような制度を設けた場合や、従業員が購入した昼食代を計算し、後日会社が50%を負担する制度を設けた場合には、上記に当てはまらないため、たとえ福利厚生の要件を満たしていたとしても給与所得として課税されてしまいます。
ただし、深夜勤務において、事業主が食事の提供ができない場合などに、夜食代として300円以下の現金支給を行うことは認められています。
福利厚生費以外でも昼食代が経費となる場合がある
①会議費
ランチミーティングのように、昼食時に会議を行う場合の昼食代を事業主が負担した場合、全額を会議費として経費に計上することができます。社内の会議のほか、社外の人との合同の会議であっても問題ありません。会議の際の議事録などの証拠書類を残しておいた方が、万が一税務調査で指摘があった場合も適切に対処ができるかと思います。また、会議費の場合は、個人事業主の昼食代についても計上することができます。
②接待交際費
従業員の慰労のために接待をする際の食事代は「社内飲食費」として交際費で計上することが可能です。頻繁な社内飲食費の計上は、給与所得とみなされる可能性もあるので注意しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は従業員に対する食事代支給の注意点を解説しました。正しい経理処理を行なって、福利厚生と節税を両立できるようにしましょう。
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(本記事は、掲載時点の税制等に基づき記載しております。)
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