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【税制改正】相続時精算課税と暦年贈与、どっちがお得?

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【税制改正】相続時精算課税と暦年贈与、どっちがお得?

【税制改正】相続時精算課税と暦年贈与、どっちがお得?

2023/04/26

はじめに

 前回の記事にて、令和5年度税制改正における、相続時精算課税制度の改正のポイントを解説しました。

 (【税制改正】相続時精算課税の令和5年税制改正を税理士が解説!

今回は、相続時精算課税制度と暦年贈与のどちらを活用すれば良いのかを、具体例を交えて解説していきたいと思います。

 

具体例1:基礎控除額以下の贈与を行う場合

 仮に基礎控除額と同額の110万円を10年間贈与した後に相続が発生した場合、暦年贈与の場合は4〜7年前の贈与財産から合計100万円を差し引いた残りの贈与財産は全額持ち戻すことになるため、(440万ー100万円)+330万円=670万円が相続財産に加算されますが、相続時精算課税制度を利用した場合は、基礎控除額未満であるため、相続財産に加算されません。つまり、基礎控除額以下での贈与であれば相続時精算課税制度の方が節税効果があることになります。

 

具体例2:基礎控除額以上の贈与を行う場合

 上記の場合は、相続財産の金額や贈与する期間等によって判断が異なってきます。

 ①20年などの長い期間で生前贈与を行う場合

 このケースでは暦年贈与を利用した方が有利だと考えます。暦年贈与であれば8年より前に贈与した財産については相続財産に加算されないため、相続時の相続財産を抑えることが可能です。

 例えば、相続財産が2億円ある被相続人が、

A:毎年400万円ずつ10年間にわたって贈与を行なった場合、贈与税と相続税の合計は、暦年贈与を利用した場合は4,470.5万円、相続時精算課税制度を利用した場合は4,420万円となります。

B:毎年400万円ずつ20年間にわたって贈与を行なった場合、贈与税と相続税の合計は、暦年贈与を利用した場合は3,305.5万円、相続時精算課税制度を利用した場合は3,980万円となります。

 ②相続財産が少ない場合

 仮に長期間にわたって生前贈与をする場合であっても、相続財産が少ない場合は相続時精算課税制度を利用した方が有利だと考えられます。なぜなら、相続税に関する基礎控除を考慮した結果、生前贈与によって贈与した際の贈与税の税率よりも、相続時の相続財産に係る税率の方が低くなる場合があるからです。例えば、上記Bのケースにおいて、相続財産が8,000万円だった場合、贈与税と相続税の合計は、暦年贈与を利用した場合は870万円、相続時精算課税制度を利用した場合は240万円となります。

 

まとめ

 いかがだったでしょうか。

今回は暦年贈与と相続時精算課税制度のどちらを利用した方が良いかをおおまかに解説していきましたが、今回のケースでは、例えば相続税の各種特別な税制等を考慮しておりません。実際に相続時精算課税制度と暦年贈与のどちらを利用した方が良いかについては、さまざまな視点から検討しなければならないため、専門家に相談することを強くお勧めします。

 磯会計センターでは、顧問先に対して、法人税及び所得税だけでなく、幅広い税金に関する相談を承っております。税金についてお悩みのことがあれば是非一度ご相談ください。

 

(本記事は、掲載時点での税制等に基づいて記載しています)

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